希求される“世界平和”

 戦時中のお生まれで疎開も経験された上皇ご夫妻とは異なり、両陛下や愛子さまは戦後のお生まれ。戦争の当事者ではなくとも、ご一家がこれほどの歓迎を受けるのは、歴史と真摯に向き合ってこられたからだろう。

「今年2月、陛下はご自身の誕生日に際して開かれた会見で“戦争の記憶が薄れようとしている今日、戦争を体験した世代から戦争を知らない世代に、歴史が伝えられていくことが大切”と述べられました。

 そのお言葉のとおり、両陛下は今年、硫黄島や沖縄県、広島県、モンゴルなど戦争で大きな爪痕を残した各地へと足を運ばれています。行く先々で戦争体験者やその遺族の話に真剣な眼差しで耳を傾けられるおふたりからは、次世代へと記憶をつなごうという覚悟がにじみ出ていました」(前出・皇室ジャーナリスト)

今年5月、能登半島地震の復興を支援する金沢大学の学生ボランティアと懇談された愛子さま
今年5月、能登半島地震の復興を支援する金沢大学の学生ボランティアと懇談された愛子さま
【写真】大阪万博視察時に“初のスタイル”でご登場された愛子さま

 両陛下の、平和を心から希求されるご姿勢は愛子さまにも受け継がれている。それを象徴する出来事があったと、前出のつげさんは振り返る。

「今年5月、愛子さまが『大阪・関西万博』を視察された際のことです。立ち寄られたシンガポール館で、自分の夢を書き、来場者とシェアするアクティビティを体験されました。このとき、愛子さまはご自分の願いとして“世界平和”と綴られたのです」

 さらに5月、能登半島地震の被災地をお見舞いされた際のことも印象に残っていると、つげさんは続ける。

「現地では、被災地復興のボランティア活動に従事する大学生と懇談されました。愛子さまは“ボランティアを始めたきっかけは何ですか?”と問われ、学生が“被災地の力になりたかったからです”と答えると、“そういう方々がいると世界が平和になりますね”と返答されたのです。

 愛子さまは、ごく自然に“世界の平和”という言葉を口にされることがたびたびあります。それは常に平和を求めるご意思が心の中にあるからこそではないでしょうか」

 長崎県ご訪問は、日々平和を祈られる愛子さまにとって心から実現を望む、飾り気のない思いなのだろう─。

つげのり子 西武文理大学非常勤講師。愛子さまご誕生以来、皇室番組に携わり、現在テレビ東京・BSテレ東で放送中の『皇室の窓』で構成を担当。著書に『素顔の美智子さま』など