2025年8月27日、谷本将志容疑者が勤務していた会社の社員寮が家宅捜索された/共同通信
2025年8月27日、谷本将志容疑者が勤務していた会社の社員寮が家宅捜索された/共同通信
【写真】3年前に谷本将志容疑者が勤務していた会社と社員寮

 谷本容疑者は高校を中退後、現場作業員として10年以上勤務。職場では孤立していた。

少しの髪の乱れも気にするナルシスト

「会社の同僚によると、流行りの服を着て、長髪を後ろで束ねるなど髪形をコロコロ変えていました。大阪市生まれで、ずっと関西在住なのに標準語で話していたそうです。同僚たちはよく連れ立ってキャバクラなど女性が接待する店に酒を飲みに行ったらしいのですが、谷本容疑者は行かない。一流百貨店で接客する女性や清楚なお嬢さまなど上品そうな女性に関心を持ち、そうした女性と付き合うにふさわしい男と自認しているようだったといいます。

 その一方、女性経験はまったくなくてピュアなはずだと。プライドが高く、少しの髪の乱れも気にするようなナルシストだったとも」(同・ジャーナリスト、以下同)

 仕事はできた。しかし、同僚の欠点ばかりが目につくようで、陰でネチネチと悪口を言ったり、いつまでもグチるなど粘着質だった。

「知人の話では、両親は離婚して、父親に引き取られたそう。母親は再婚したのか“自分は捨てられた”というニュアンスで、母親に対する不信感をにじませることがあったそうです。きちんとした家庭を持ちたいという気持ちは人一倍あったといいます。

 3年前の事件の少し前、父親が認知症で施設に入り、母方の祖母も認知症を患い、介護を理由に会社を頻繁に休むようになっていました」

 この知人によると、本来は気が弱く、人に手を上げる姿など見たことがないという。

 その一方、知人らも知らなかったとみられる逮捕歴があった。2020年、神戸市中央区で別の20代女性につきまとって県迷惑防止条例違反で逮捕され、ストーカー規制法違反で罰金の略式命令を受けていた。被害者は、やはり面識のない女性だった。

神戸地裁は2022年の事件について「思考の歪みは顕著で再犯が強く危惧される」と懲役2年6か月の有罪判決としながら、被害者のケガは軽く、反省の態度がみられることなどから執行猶予5年とした。保護観察はつけられず、執行猶予中の犯行となった。