痛みを抑え、再発を防ぐ 3Dジグリング

 軽度の股関節痛であれば、これだけで痛みを軽減し、関節の可動域を広げることができる。実際、高平先生の患者さんの中には、これを習慣化することで手術を免れた例もある。一次性、二次性どちらのタイプにも有効。エクササイズ中に痛みが続いたり、強くなったりした場合は休止し、主治医に相談を。

《3Dジグリング》1セット1分 1日3セット(朝・昼・晩に)

1.背すじを伸ばし、足を肩幅に広げて立つ。
両手を股関節に当て、両ひざと股関節を軽く
曲げ、腰を少し落とす。その状態から骨盤
全体を右回りに大きくゆっくりと10回、回す。

2.骨盤全体を左回りに大きく
ゆっくりと10回、回す。これを1分繰り返す。

*正しいやり方で無理のない範囲で行うこと。間違ったやり方を続けるとかえって症状を悪化させてしまうこともあるので注意。
*1日1セットを、2~3週間継続することが重要。

3Dジグリングが効果的なワケ
 股関節の動きを滑らかにする滑液の循環を促し、関節軟骨に栄養が供給されやすくなる。さらに股関節の筋肉を鍛えるとともに、バランスを保つ能力も培われる。股関節の周囲だけでなく、下肢や背筋などの筋トレにもなる。

教えてくれたのは…高平尚伸先生
北里大学大学院医療系研究科、整形外科学、スポーツ・運動器理学療法学教授。同大学医療衛生学部リハビリテーション学科教授。専門は股関節外科学。変形性股関節症の病態と治療の研究分野のオーソリティーとして活躍。テレビや書籍などでも積極的に情報を発信している

取材・文/桑原順子