「重要事項説明書」で本当の施設状況を確認
急に親の介護が必要になったりして焦りがあると、「すぐに入れるならどこでもいい」と施設を決めてしまいがちだが、「ちょっと待って」と上大岡さん。
「姉から、まず施設の『重要事項説明書』をチェックするように言われました。これは施設提供のサービス内容や費用、職員体制、事故発生時の対応など、重要な情報が記載されている書類。
その中で確認したいポイントは、利用者の施設退去後の行き先と介護士の離職率。ほかの施設に転居している人が多ければ、居心地がよくないことが推察され、介護士の離職率が高ければ、施設に問題があるのかもしれません」
パンフレットには良い点しか書かれていないので、重要事項説明書の確認は大切。施設に提示を必ず求めたい。重要事項説明書は、各自治体のホームページからでも調べることができるとのことだ。
「施設を決める際は、利用者の趣味がその施設でできるかも確認するといいですね。
好きな趣味を続けられる、散歩に行ける、晩酌ができるなどは、利用する本人にとって大切なことだと思います。
職員の名前を積極的に覚えたり、受け取ってもらえる場合は訪問時に菓子折りを渡したりなど、家族側の配慮も必要だと思います。職員と顔見知りになると、相談しやすくなります」
タイミングを決めて話し合う機会を設ける
「在宅介護で親の面倒を見ていても、限界が来ることもあるでしょう。それから施設を探し始めると、後手後手になってしまいます。
ただ、親が元気なときに施設入居の話はしにくいもの。私たちは施設入居が前提でしたが、そうでない場合は両親が75歳になったらなど、何かのきっかけを決めて一度話し合うといいと思います」
その際、親に聞いておきたいのが資産と年金額。お金の有無で入居可能な施設が変わるので、確認は必要不可欠。聞きづらい場合は、エンディングノートなどに記しておいてもらうといいだろう。











