引き受け手となる事業者や団体を選ぶ際はネットの情報だけで決めず、実際に足を運んでコミュニケーションをとり、信頼関係を築いておきましょう。

 大切な家族を任せる場所ですから、活動の実態や飼育環境、会計の透明性なども確認しておくことが大切です。また、実際に引き受けを頼む事態が10年後、15年後になったときにも、相手が引き受けられる状態でいるかがポイント。

 例えば、姪に猫の引き受けを依頼していたとします。でも、その後に結婚した姪(めい)の配偶者が猫アレルギーだった場合、後見は難しくなってしまう。あらゆる事態を想定して『ここなら安心して任せられる』と判断できる人や場所を選びましょう

 また、「保護団体だから無償で引き取ってくれる」というイメージを持つ人も少なくないが、善意に頼るのではなく、きちんと対価を支払うべきだと奥田さんは言う。

「当然ですが、動物の飼育にはお金がかかります。医療費や施設維持費、人件費など、その負担は決して小さくありません。無償での引き取りを前提とすると現場の団体が疲弊し、結果として動物が苦しむことにもなるかもしれない。

 適正な費用を支払ってサポートをお願いすることで、飼い主にもペットにも安心が生まれると思っています」

 飼育費用の残し方、そして費用の支払い方はペット後見では重要な要素だ。

飼育費用はそれぞれのケースによって異なりますが、支払いのタイミングは、(1)事前に渡しておく、(2)動物の引き取りと同時に渡す、(3)預かってもらっている期間中に月々渡す、(4)飼い主の死亡後に渡す、の大きく分けて4つです。

 生前贈与や遺言、民事信託、生命保険を利用する場合など、さまざまな方法があります。手続きは複雑なので行政書士や保険会社など専門家に相談するのが一番ですが、長期飼育を前提にすると費用が高額になる可能性も考慮して、備えておくと安心です

 一般的にペットの年間飼育費用は、犬で約30万円、猫で約20万円といわれている。仮に飼育期間が10年の場合、費用の総計は犬で300万円、猫で200万円にも上ることは念頭に置いておきたい。

飼い主費用を残す方法(奥田さん監修)
飼い主費用を残す方法(奥田さん監修)
【写真】「ペット後見」のために飼い主費用を残す方法