入浴関連死の真の原因、真冬の「熱中症」に注意
「これまで、『寒暖差で血圧が急変し、脳卒中や心筋梗塞が起きる』と説明されることが多くありました。
しかし、救急医療の現場で実際の症例をみると、入浴中の死亡原因として、脳卒中や心筋梗塞が明確に確認される例は決して多くありません」
むしろ多いのは、熱い湯につかる→体温が上がる→脱力や意識消失が起こる→そのまま浴槽内で溺れてしまう、という経過とのこと。
「これは、入浴による高体温状態(熱中症に近い状態)と溺水の組み合わせと考えられています。浴槽は水深が浅くても、意識を失えば非常に危険な環境になります」
お湯の温度と入浴の時間が生死を分ける
意外なことに、これまでヒートショックと呼ばれていた現象は、入浴関連死に大きく影響しないかもしれないということだ。
では、この入浴関連死を防ぐにはどうすればいいのか。その方法やポイントを教えてもらおう。
「脱衣所や浴室を暖めること自体は悪い対策ではありません。ただし、寒暖差を減らせば脳卒中や心筋梗塞が起きなくなる、という確かな医学的証拠はありません。
もちろん、急な温度変化で血圧が変動することはありますし、持病のある方では体調を崩すきっかけになる可能性はあります。しかし、それだけで重大な病気が起こると決めつけるのは正確ではありません。
脳卒中や心筋梗塞を減らしたかったら、高血圧や脂質異常症のコントロールをするほうがはるかに重要です。入浴事故対策としては、寒さ対策だけに偏らず、実際に多い事故のパターンに目を向けることが重要です」
熱中症が原因だとしたら、お湯の温度と、浴槽につかる時間が入浴関連死を防ぐポイントとなるようだ。











