座りっぱなしが脳を鈍らせる
外に出るのがおっくうになると、家の中で過ごす日が増えていくもの。テレビの前にずっと座りっぱなしというときもあるだろう。そんな生活習慣は認知症を招きかねない。
「座っている時間が長い生活は、認知症リスクの増加と関連することが各種研究で報告されています。例えば、25万人のデータをまとめた研究では、座る時間が長い人は、そうでない人に比べて、認知症リスクが1.3倍に増加していることがわかりました」
長時間座っていると脳へ十分な栄養が行き渡らず、脳の機能低下につながる。適度な運動を心がける必要があり、それによって脳の健康が維持され、認知症リスクは下がるという。
「運動の種類は問いません。好きで続けられる運動こそがベスト。『これが最強の認知症予防運動だ!』と示すエビデンスは存在しないので、自分が楽しめそうなものを選び、続かなければ変えればいいのです」
今日から見直せる認知症リスク
年齢とともに衰えていく目と耳の機能。本来はケアしなければならないが、多くの人は後回しに。むしろ目であれば紫外線を浴びる、耳であればテレビや音楽を大音量で聴くといった視力・聴力を低下させる生活を送りがち。そこに認知症リスクが潜んでいる。
「視力や聴力の低下は認知症のリスクと密接に関わっています。各種研究報告を踏まえると、認知症の発症に関与する割合は1割に達すると推定されます。すなわち裏を返せば、日本の認知症患者数約500万人のうち、50万人は目と耳のメンテナンスだけで防げた可能性があることを意味するのです」
目や耳といった感覚器官は、脳への信号をキャッチするアンテナの役割を果たしている。アンテナをしっかりメンテナンスしていれば、脳にクリアな信号が入り続け、脳が良い意味で刺激され続け、ひいては認知症から脳を守ってくれる可能性が高いそうだ。
「目が見えにくかったり、耳が聞こえにくかったりするのを『年のせいだから仕方ない』と考えて、あきらめてしまう人は非常に多いです。でも診察してみると治療ができ、解決できるような問題であることも少なくないのです。
例えば、目であれば白内障は代表例。曇ってしまったレンズ(水晶体)を取り替えることで、クリアな視界が現れ、世界が変わったという患者さんもいます。耳でいえば、耳の聞こえが悪い原因が耳垢(あか)の詰まりだった患者さんもいます。
年のせいだからと不調を受け入れるのではなく、目と耳のメンテナンスを行うようにしてください」











