認知症のなかで最も多い「アルツハイマー型認知症」は、アミロイドβというタンパク質が脳に蓄積し、約20年の間に3段階の過程を経て発症する。第一段階はアミロイドβが脳にたまり始めているものの認知機能の衰えは見られない状態。
絶大な筋トレ効果
次が、記憶力の低下などが見られても日常生活にさほど支障がない、いわゆる認知症グレーゾーン=軽度認知障害。そして最後が、認知症を発症し、生活に支障を来す状態となる。
認知症になる人は軽度認知障害の段階を必ず通るが、すべての人が認知症に進行するとは限らず、適切な対応により、現状を維持するだけでなく、認知機能の低下を遅らせることができる場合もあるという。
そこで山本さんも、担当医のすすめで認知機能のトレーニングを提供するクリニック内のデイケアに通うことに。
デイケアでは、楽器の演奏や大人数でのゲーム、絵を描くなど、さまざまなプログラムが用意されている。なかでも山本さんが効果を実感し、今も続けているのが「本山式筋トレ」という脳の活性化を意識した筋トレ。
「片足立ちをしたりスクワットをしたりして、一つひとつ筋肉を鍛えていくんですが、止まって数十秒数えると、だんだん足が痛くなってきて、震えてくるでしょう? そういう身体の感覚を頭で感じることが大事なのだそうです」
1回のプログラムを2時間ほどかけて行い、山本さんは週2回のペースで通っている。
「他の参加者の方ともお話ししましたが、5〜6年通っているという方もたくさんいます。私は役者の仕事のために、これまで毎日歩いて体力を維持してきましたが、そんな私が音を上げてしまうハードな運動を女性もこなしているんですから、みなさん大したものです(笑)」
こうした運動は、筋力強化だけでなく、脳への効果も実感できるそう。
「私は一人住まいなので、部屋が散らかりがちなんですが、この筋トレをやると、意欲が出てきて片づけも難なくできるんです。逆に、風邪をひいたりして1か月ぐらい出歩けず、筋トレをやらずに過ごしたときには、原稿をまとめられなくなったり、記憶力が落ちたりして、認知機能障害が進んでしまったと自分でわかりました」

















