午前中に入院した時点で子宮口の開きはまだ1センチほど。子宮の出口を広げ、やわらかくするために子宮頸管バルーン挿入の処置を受けた。
生理痛ぐらいの痛みだった
「個人差はあるようですが、私の場合は生理痛ぐらいの痛みでした。処置のあとは、出産前に見ておきたいと思っていた韓国ドラマの続きを楽しむことができるくらいリラックスして過ごせたんです」
順調に子宮口が開き、日付が変わった深夜にバルーンが自然に落下。次のステップである人工破水に順調に進んだ。
「最初のお産では、人工破水した直後に猛烈な痛みに襲われたんです。それを思い出して、怖くなってしまいました」
不安は杞憂に終わり、今回は痛みを感じずにすんだ。前回は陣痛が来てすぐの人工破水だったが、今回はある程度子宮口が開いてからの処置だったことに違いがあるのかもしれない、と担当医から説明を受けたという。
「破水後に陣痛促進剤を点滴して、お産に向けて最終段階に入るタイミングで背中から麻酔を入れました。このときもほとんど痛みは感じませんでしたね」
無痛分娩の場合、脊髄に近い硬膜外腔に細いカテーテルを挿入し、その管を通じて麻酔を追加する「硬膜外麻酔」を用いることが一般的だ。
「麻酔が入ってくると、下半身がぽかぽかと温かくなってきました。もともと腰痛持ちで、妊娠でさらにひどくなっていたんですが、その痛みもやわらいで、気持ちいいと感じるほどでしたね」
無痛分娩を行う多くの産院では、陣痛が進むにつれて痛みが増したとき、カテーテルとつながる手元のボタンを妊婦が自ら押して麻酔薬を追加する「自己調節鎮痛法」を取り入れている。
菊地さんの場合は麻酔がうまくはたらき、このボタンを押すことは一度もなかった。助産師から「今回は笑いながらのお産にしましょうね」と声をかけてもらったことが強く印象に残っているという。
「自宅から夫と4歳の長女も駆けつけ、お産までの1時間ほど、談笑できる余裕もあったんです。麻酔を使っていても足を動かせて、しっかりといきめる感覚もありました。痛みを感じたのは、赤ちゃんの頭が産道を通る数分だけ。このときも娘が一生懸命笑わせてくれて、ほっこり、うれしいお産となりました」

















