高級老人ホームで問われる“人との距離感”

 一方でデメリットはどうか。

「金銭面があてはまるかどうか別として、設備・サービスを享受するには大金を必要とします。そして、どんな高級な施設でも隣人がいて、他の入居者と関わりを持つのは変わりなく、自身ではコントロールしづらい人間関係のリスクを伴うのは共通です」

 高級老人ホームは誰にとってもユートピアというわけではなく、なじめる人、なじめない人がいるのを知っておかなければならない。

「年を重ねると、皆さん、自分のペースや考えを大切にするようになるもの。集団生活の中、ご自身のスタイルを優先しようとしがちなんです。そこで他の入居者に対し主張ばかりしていると、衝突は避けられなくなります。一方、うまく折り合いをつけて楽しめるなら、他の入居者と良好な関係を築けるでしょう」

 経営者などの成功者には我の強いタイプが少なくない。互いに譲らなければ、どうなるかは言うまでもない。

「金銭的に無理をして入居した結果、周囲との生活水準や価値観の差から、なじむのに苦労される方もいます。医師や経営者などのグループができていて、その輪に入れず話も合わない。高級な施設も含め、老人ホームを退去する理由で、もっとも多いのは人間関係なんです」

 最後に、施設選びのポイントを学ぼう。「施設側の説明はメリットが強調されやすいため、注意が必要です。だから個人での情報収集が重要になる」と脇さんは指摘する。

「まず、自分の中で優先順位をつけてリサーチします。設備や安全面、部屋の眺望など優先項目を挙げ、インターネットを使ってアンテナにかかる先を探すのです。次に目星をつけたら現地施設へ見学に行き、できるなら食事や宿泊を体験してみる。最終的には1か所ではなく、必ず2、3か所比較検討して決めたほうがいいでしょう。また一人だけで判断せず、家族などと一緒に行って客観的な意見を取り入れるようにしてください」

 紹介会社に頼るのも手。脇さんの会社はそのひとつだ。

「入居一時金を払わず、月額利用料だけで入居することも可能です。月額利用料は高くなるものの、初期償却のリスクを防げる。当初1年は月額利用料を負担し、ここでよしとなったら入居一時金を支払うやり方もできるのです。こうした情報など施設選びのアドバイスを行っています」