「たまたま木の棒があって助かった」
動画はわずか20~30秒だったが、クマの執拗な攻撃をかわしながら、佐藤さん自身も攻撃を続けていた。攻防の末、母熊は去っていったものの、佐藤さんは噛まれて大怪我。
当時について、「無我夢中だったので噛まれた瞬間は痛みを感じませんでした。破傷風になるといけないので、病院に行き治療。骨は無傷でしたが、太ももと腕を負傷しました」と振り返った。
突然の熊による突進に対して、怪我を負いながらも生存を果たした佐藤さん。
“勝因”については、「山での仕事が長いので、クマに襲撃されそうになったら絶対“先制攻撃”をすると決めて、いつクマに出会ってもいいように常にシミュレーションしていました」「クマに背中を向けなかったこと、倒れなかったこと、諦めなかったこと、気迫だけは負けないという強い気持ちがあった」と語っていた。
また佐藤さんは「今回はたまたま木の棒があって助かった」とも話していた。まさに“九死に一生”の経験から、撃退用ポールの製作に至ったというわけだ。
「アルミ合金などでできたポールは先端が二股に分かれ、長さは1m15cmから1m70cmまでが用意されています。クマの動きに対応できるよう、最も軽いものは約500g。猟友会の人々からのアドバイスも受けて製作したといいます」(前出・社会部記者)
佐藤さんが運営するサイト『原生林の熊工房』から購入できるポールは、サイズ別で12,000円~27,000円(税込み、送料別)だ。
話を伺った当時、「私自身もクマが好きですが、同じ生活区域で生きている以上、まずは自分たちの命が第一です」と語っていた佐藤さん。被害が続く以上、先人の知恵が全国で活かされることを願うばかりだ。
















