「結婚してもうまくいくわけない」
2つ目の問題は「宗教」。
実はこの2人、お寺とチャペルで、2度結婚式を挙げている。大治朗さんは、クリスチャンだからだ。
「人からは、宗教の違う者同士が結婚してもうまくいくわけない、と言われました。でも、わが家に宗教対立はまったくありません」
団姫さんは結婚前から「世界の宗教者で平和を祈ろう」という「比叡山宗教サミット」に出席するなど、他宗教との交流に関わっていた。団姫さんには、もともと宗教の壁などなかったのだ。友人で「尼崎えびす神社」宮司の太田垣亘世さん(55)がこう話す。
「毎年クリスマスイブに、友達4人が集って近所のホテルでパーティーをやるんですが、団姫さんはいつもメンバーです」
太田垣さんは宝塚歌劇の大ファンで、団姫さんを誘ったときもこんなことが。
「団姫さんのほうを見たら、すごく泣いているんですよ。そのシーンがなんとアヴェ・マリア。感動は宗教を超えますやんって(笑)」
3つ目の問題、「夫婦別姓」。これはかなり厄介だった。もともと姓を変えることに抵抗があった団姫さんだが、結婚当初は、夫の姓「井村」に変えていた。結婚の少し前、大治朗さんの兄が急逝し、井村姓を継ぐことで大治朗さんの両親を安心させたかったのだ。
「6年ほど夫の姓でしたが、すごいストレスでした。自分が自分でない気がして、“自己の喪失感”がありました」
最初は自分だけかと思っていたが、ネット検索すると同じ悩みを持つ人がいることがわかり、心強かった。
限界を感じたのは、マイナンバーカードの書類に「井村」姓を何度も書いているとき。「もう無理!」と思い、'17年、「ペーパー離婚」に踏み切った。夫が「これまで井村を名乗ってくれてありがとう」と優しい言葉をかけてくれたことに救われた。
ただ、変わったのは戸籍上だけ。これまでどおり同じ屋根の下に住み、日常を送る。子の親権は夫、世帯主は妻。その世帯に夫と息子を入れた。
世間では「不倫し放題だ」「それでは夫婦と呼べない」などという声も上がっていた。しかし実際は、相応の覚悟がいるし、手応えもあるという。
「事実婚になってからのほうが互いを尊重するようになりました。私たちは夫婦生活を終えようと思えば簡単に踏み切れるので、言葉遣いに気をつけて、ちゃんとごめんねと謝ろうと心がけています。
籍でつながってるという甘えは通用しないですから。事実婚のほうがお気軽な関係だと思われがちですが、逆に覚悟がないとできないと思います」
高市政権になって、選択的夫婦別姓の実現性は遠ざかっているが、
「日本初の女性総理には、ぜひ選択的夫婦別姓の重要性に目を向けてほしい」
と語気を強めた。


















