家族や親族の理解を得られるかがカギ

 さまざまな選択事項を決定したら、いざ墓じまいの手続きへと進む。

 まず用意しなければならない書類が「改葬許可申請書」。窓口は今あるお墓を管轄する自治体の役所だ。加えて、「埋蔵証明書」が必要となり、こちらは墓じまいをする寺社などの管理者に依頼する。

 次に、遺骨の引っ越し先となる側の管理者に「受入証明書」を発行してもらう。通常、遺骨の引っ越し先が決まっていないと、改葬の許可は下りない。

 準備した埋蔵証明書と受入証明書を改葬許可申請書に添え、今あるお墓を管轄する自治体の役所に提出。受理され「改葬許可証」を手にしたら、ようやく墓じまい・改葬が行えるようになる。

「行政の手続きを含め、墓じまいは労力を伴うものです。近年は一連の作業を代行するサービスもあり、霊園業者や墓石販売店などが手がけています。金額やサービスは各社さまざまなので、HPなどで内容を精査し、数社見積もりをとってから利用を検討しましょう」

 墓じまいの成否は何より、家族や親族の理解を得られるかどうかで決まるという。

「あらかじめ、家族や親族と十分話し合うことが大切です。お墓は一家族だけではなく親族にも関わることなので、周囲の賛同を得られないまま事を進めてしまうと、のちにトラブルに発展しかねません。

 遠方のお墓を管理する大変さなど事情をきちんと説明し、家族や親族の意見も聞きながら、遺骨の供養方法を決めましょう。お盆を迎えるこの時期は、家族で話し合う絶好の機会。コミュニケーションを第一に、墓じまいをスムーズに進めていただきたいと思います」

教えてくれたのは曽根恵子さん 相続対策の提案とサポートを行う専門会社、夢相続代表。これまで1万5000件以上の相続相談に対処。感情面や経済面に配慮したオーダーメード相続を提案している。著書・監修97冊、累計95万部を発行。

<取材・文/百瀬康司>