念願のステージに復帰。通院治療は続くも、「手術前にも増して、めちゃめちゃ音楽活動やってます」とパワフルだ。

絶対に大丈夫! って言っていると、不思議とそうなっていく

「でも、昔はすごくネガティブだったんです。希死念慮もあったし。それでもなんで助かってきたかというと、私にはたぶん役目があるんだろうと考えて。それがブログを始めたきっかけでもありました」

左胸の全摘手術を乗り越え、再びステージへ。現在も精力的に音楽活動を続けている 写真提供/ミワユータさん
左胸の全摘手術を乗り越え、再びステージへ。現在も精力的に音楽活動を続けている 写真提供/ミワユータさん
【写真】全摘出術後「ありのままの自分」を表現したミワユータさんの写真

 ミワユータさんが入院中から書き続けてきたのが、ブログ「笑える乳がん闘病記」。告知から入院、手術、抗がん剤の副作用による脱毛まで、ユーモアを交え赤裸々に綴っている。

「私と同じように病気になって不安を抱えている女性のために、くすっと笑える瞬間をつくろう、そのために全力を尽くそうと思って」

 ブログは大きな話題を呼び、アメブロランキングJ―POP・ROCK部門で名だたるアーティストを抑え1位を獲得。2022年にAmeba Award優秀賞を受賞。

 ブログで発信するミワユータさんのメッセージは前向きで、読み手の背中を力強く押す。

「私が特別強いんじゃないかと言われるけれど、スイッチ1つだと思う。ネガティブなことを言えば言うほど、落ち込んでいく。逆に、何の根拠もなくても、絶対に大丈夫! って言っていると、不思議とそうなっていくんですよね。私が誰かのスイッチを入れるきっかけになればうれしい

 手術から5年。病気を克服した今、ミワユータさんにはある野望があるという。

「病気というのは、日常生活を貸してあげることだと思うんです。絶対に利子をつけて返してくれる。利子が返ってくるのを楽しみにしながら、前向きに治療をするのがいい。それが病気をした結果、思ったこと。

 私にとっての利子は、『笑える乳がん闘病記』を書籍化すること。そして宮藤官九郎さんにコメディー映画にしてもらい、その主題歌をElizabeth.eightが歌う。きっと叶うと信じています!」

ミワユータ ロックバンド Elizabeth.eight のボーカル兼ソングライター。2014年に脳炎、2021年に乳がんを経験し、闘病を綴ったブログ「笑える乳がん闘病記」が話題に。2022年、Ameba Award優秀賞を受賞。


取材・文/小野寺悦子