セットの中を走り回る。突然、行方不明になる。と思っていたら、テーブルの上に飛び乗り、ゲストのコップに入った水を堂々と飲む。トークの間に勝手気ままに鳴きまくる。MCのリリー・フランキーさんいわく、

「長屋で話してるみたいだ」

 初回のにぼしは猫をかぶっていたのだ。まんまとだまされた。

 それ以来、スタジオでは、

「今日のにぼしはどんな状態?」

「今、にぼしががいい感じだから(カメラを)回そう」

 といったスタッフの声が飛び交うようになった。

「猫本位で番組収録が進んでいる」

 これもまたリリーさんの弁だ。

 最初のようなしおらしさこそなくなったにぼしだが、レギュラー出演者の仕事は今でもちゃんと果たしている。猫好きのアーティストは多く、彼らはにぼしがそばにいると、いつもとは違った表情を見せる。今後のゲストの中には「にぼしに会うのが楽しみ」と言ってくれている方もいる。ゲストの宮藤官九郎さんが、

「猫の手を(比喩ではなく)本当に借りている様子は初めて見た」

 と驚いていたが、確かににぼしは今や番組には欠かせない存在となった。

 ドラマや映画だけではなく、仕事の幅を広げトーク番組でも活躍するにぼし。そんなにぼしには今回、「優秀エンターテイにゃ~賞」を勝手に差し上げ、勝手に表彰します。

<プロフィール>
山名宏和(やまな・ひろかず)
古舘プロジェクト所属。『行列のできる法律相談所』『ダウンタウンDX』『世界何だコレ!?ミステリー』といったバラエティー番組から、『ガイアの夜明け』『未来世紀ジパング』といった経済番組まで、よく言えば幅広く、よく言わなければ節操なく、放送作家として活動中。