そんなわけで先日、「一体どんな女性たちがグレイヘアを実践してるんだろ?」と思って画像検索したら、近藤さん以外の「グレイヘア上級者」たちの写真がたくさん出てきた。

 みなさん一様に、男に媚を売ってる感・皆無で、凛としてる。白髪染めの呪縛から解放されて、吹っ切れた感じが素敵だ。

 とはいえ「サバサバ系」というわけではなく、なんというか、「マダム」とか「ラグジュアリー」というフレーズが似合いそうな、大人の女の色香を漂わせてる方、多数。まさに「グレイヘアという生き方」そのもの。このラグジュアリー感、新築分譲マンションのキャッチコピーでよく見かける、「西麻布に住まうという生き方」みたいな、そういう雰囲気も漂わせてる(って、何だそれ)。

本人の生きざまが左右する

 そして、とあるマダムはインタビューで「グレイヘアには、清潔感と品格が欠かせない」と、おっしゃっていた。

 白髪頭に「清潔感と品格」を丁寧にもみ込んで、日々お手入れすることで、「単なる白髪頭」が「グレイヘア」へとバージョンアップするわけだ。

 3日くらい洗髪サボって、頭をバリバリかいている私に、そんなケアができるのかどうか心配になってきた。

 そして、肝心の「美人うんぬん問題」である。

 それに関しては、必ずしも美人じゃないとダメというふうではないようだ。みなさん個性的で、自分の顔立ちを否定せず、素直に受け入れてる感じが印象的だった。

─なんて、サラッと書いたが、実はこれがいちばん難しいんじゃないかと思った。

「美人じゃないけど、でもそんな自分の顔を慈しむことができる」って、相当ハードル高いと思う。

 結局は、内面ができてないとグレイヘアは成り立たないということか。

 実はウチの近所に、70代くらいのグレイヘアねえさんが2人、住んでるのだが。おひとりはショートカットのグレイヘアで、ボーダーのTシャツにジーンズでとてもフレッシュな雰囲気の素敵な方。

 しかし、もう一方のグレイヘアは……いや、彼女はもう「グレイヘア」ではなく「白髪頭」と呼んだほうがいいだろう。ザンバラに伸びた白髪をひとつに結んで、常に周囲を睨みつけ、笑ってる姿を見たことがない。

 白髪頭が素敵に見えるかどうか、それはそこに至るまでの本人の生きざま、気質が左右するようで……。

 とりあえず私は、ちゃんと頭洗うようにならんとダメだな、と、思った次第である。


漫画家 安彦麻理絵さん
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文・イラスト●安彦麻理恵/漫画家。山形県出身。雑誌『ガロ』でデビュー。女子の生態を赤裸々に描く作風が多くの共感を呼ぶ。3児の母。ウェブメディア、女性誌を中心に活躍。著書に『だから女はめんどくさい』『ババア★レッスン』など多数