ハードルが高く感じる精神科や心療内科だが、今は「メンタルクリニック」「心のクリニック」などといった名前で行きやすい工夫もされている。が、やっぱりデリケートな分野。人に気軽に「おすすめの病院ない?」とは聞きにくいので、なかなか情報が得にくい。いい病院はどうやって選ぶといいのだろう。

「医師と患者も人と人ですから、やっぱり相性があります。合わない医師に診てもらっても、満足はできないでしょう。自分に合う医師を探すには、病院のHPなどでその病院の診察方針や考え方を調べてみて、そこで好感を持てるかどうか。自宅からあまり遠くないところがいいでしょうね。メンタル病気は、頻度は多くはなくても長期の通院が必要な場合が多い。つらいときほど病院に行きづらい、となってしまうと本末転倒です」

自分に合う病院を探す

 心療内科は行きやすいが精神科は行きにくい、という声も聞こえてくるが、この2つの診療科の違いはどこにあるのだろう。

 簡単に言うと、心療内科は「心因性の身体症状を診る科」。つまり、胃が痛いとか、身体が重いとか、頭が痛いなど、身体疾患がないのに症状があるケース。このほかにも、何か思い当たる心理的背景があって、身体症状が出ている場合もあてはまる。理由なく身体の不調が続いている場合もこちらの科だ。

 一方、「精神科」は「心(脳)の症状を診る科」。気分が落ち込む、人間関係で悩みがある、やる気が起きないなどといった症状はこちらといえる。

「両方の科を掲げている病院も多いので、自分で判断がつかない場合はどちらもカバーしてくれる病院を受診すると安心です」(海老澤先生)

うつ病かも!? チェックリスト】
うつ状態にあるかどうかをチェック! 以下の項目に7個以上当てはまったら危険ゾーンです。
・身体がだるく疲れやすい
・わけもなく悲しい
・わけもなく涙が出る
・笑えない
・死にたくなる
・何もやる気が起きない
・何にも意味を見いだせない
・だるくて起き上がれない
・なんでもネガティブ
・眠れない、眠りが浅い
・自分を責める