大型高級車で登校、運動会でバク転も

 近隣住民には積極的に挨拶し、自宅には両親や親戚がよく遊びに来るなどにぎやかな一家だった。

「ただ、大企業の重役が乗るような黒色の大型高級車で通勤していて、先生らしく見えなかった。少し自己顕示欲が強いのかもしれない」

 と別の住民。

 この車は生徒の間でも有名で、「井上先生はすごい車に乗っている」と憧れの的だったという。

「それに井上先生は『元ジャニーズJr.』と自己紹介しているんです。芸能界に興味津々の子どもたちは、もう、それだけで尊敬しちゃいますよ。“きょうは先生と『嵐』の櫻井翔クンの話をした”とか、話題も派手ですしね。実際、シュッとしたイケメンだからキュンとする保護者もいて」(前出・在校生の母親)

 別の保護者は言う。

「外見だけじゃなく、指導熱心でめちゃくちゃいい先生ですよ。子ども目線で接してくれるし、怒るべきときは机を蹴飛ばして怒ってくれるらしいから信頼していました。教科書のお手本のようなきれいな字で板書して、運動神経も抜群。運動会ではキレッキレのダンスやバク転を披露してくれました」

 児童のダンスパフォーマンスのセンターで踊る姿に、わが子を見るつもりが自然と目を引かれてしまったという。

「事件を知ってもなお感謝の気持ちが強く、どうしても悪く思えない。子ども好きな井上先生はいま“この世の終わり”と思っているかもしれませんが、多くの保護者は許したい気持ちでいます」(同)

 同情する声は少なくないが、井上容疑者の受け持ちクラスでは、被害は確認されなかった。

 ほかのクラスでは、いじめがあるように見せかけて相対的な自己評価アップを狙ったのか、あるいは同僚を困らせたくていじめ発生を偽装したのか、それとも深淵なる別の理由があるのか。

 どうであれ、井上容疑者が被害児童の心を傷つけたことに変わりはない。