キスや口移しもNG、
接するときはマスクを

 さらに猫はコロナ後遺症があるとの研究も発表された。

「東大医科学研究所の河岡義裕教授らによると、感染した猫は回復しても肺にダメージが残ることがわかりました」

 中には呼吸器症状がなかったものの、後遺症だけがあった猫がいたという。

「高齢の猫や糖尿病などの基礎疾患があると症状が重篤化するリスクも高まるので注意してください」

 また、猫がほかの猫にウイルスをうつすこともあるので、複数匹を飼っている人はより気をつけて様子をみよう。

 犬や猫にはどのように新型コロナが感染するのか。

「人間と同じで、飛沫感染と接触感染です」

 飼い主の咳やくしゃみで飛び散った飛沫が、動物への感染経路となる。

 飼い主は人間だけでなく、ペットにもうつさない心がけが必要なのだ。

「感染の疑いがある場合は、口移しで食べ物をあげたり、キスをするのは控えましょう。一緒に寝ているなら寝室も分けたほうがいい。ペットと遊ぶ前には手を洗い、消毒し、マスクをつけましょう」

 エサをあげるときも同様の対策をして、動物に飛沫がかからないようにすること。

ペットの預け先を
あらかじめ決めておくこと

 そして感染していないときにこそ、万が一のことを考えて、備えておこう。

 新型コロナの恐ろしさは症状がいつ急変するかわからないところ。だが、中には“動物がいるから”との理由で、入院や宿泊療養に踏み切れない人も少なくない。

 そこであらかじめ誰にペットを預ければいいかを決めておくことが重要だ。

「症状が重くなると、エサやトイレなどの世話はひと苦労です。単身世帯や高齢夫婦世帯は、必ず考えておいてください」(公益社団法人『日本動物福祉協会』の町屋奈獣医師)

 ペットの世話を託せる家族と同居していなかったら、自宅で面倒を見るのはあきらめ、預かってもらったほうが安心して自分の治療に専念できる。

 それに犬を飼っていれば、感染を広げないため散歩にも行けない。犬のストレスはどんどんたまることに。

 だからこそ、信頼できる友人や親戚、またはペットホテルや動物病院など、イザというときに預けられる先を確保しておくことがベター。

 ただし、ペットホテルや動物病院には飼い主がコロナ感染しているとペットの預かりを断ることもあるという。

「事前に必ず確認しておきましょう」(前出の町屋獣医師、以下同)