コロナの影響で学費がピンチ!
食パンもグレードダウン

 このように中学受験は、親の経済的負担が大きいもの。さらに「もしも合格できるのなら」と、どんどんお金を使ってしまう傾向もあるようです。

「ママ友にメッセージを送るときは、みんな『志望校に受かるといいね』と励まし合っていました。同じ境遇のママと仲よくなるのもあって、当時は中学受験自体を特別だとは思わなかったんですよね」

 しかし、入学してからも金銭問題はつきまとうと言います。唯さんの娘が通う学校では、コロナの影響で収入が減ってしまった家庭の子もいるようです。

「ママ友と話していると、夫婦だけで学費を払いきれず、祖父母から援助を受けているという話も聞きます。正直『そこまでして私立に通わせなくても……』と思うのですが、きつい大学受験をしなくてもいいと思うと、それも投資なのかもしれないと最近は思うようになりましたね」

 唯さんの家庭でも、学費が大きな負担になっているそうです。

これから先も、また飲食業は休業になる可能性がゼロではないと思うと、食費などを節約するしかないんですよね。以前は、食パン専門店の高級パンなどを買う余裕がありましたが、今はスーパーで売っている日持ちがする食パンに変えたり、パート先にもおにぎりを持って行くようにしています」

ケース2:大学付属校を第一志望に受験勉強中

 都内在住の康子さん(仮名・45歳)は、小6になる息子を中学受験させるために奮闘中です。康子さんが息子を中学受験させるようになったきっかけは、高1になる娘の進学でした。

「中学時代の娘は、試験の点は悪くはないのに、部活や委員活動にも積極的ではなく内申点が低かったんです。『都立高校は試験が7割、内申点が3割』と言われていたので、都立を受験する場合は志望校を受けるのが難しかったんです」

 また最近、ニュースなどで取り上げられ話題となった『男女別定員制』のため、都立高校普通科の受験では男子よりも女子の合格基準点が高くなり、不利だと言う傾向もあります。

「娘は都立高に進学しましたが、大学進学を考えているのでまた受験や予備校の費用が掛かるんです。それだったら、中学受験の段階でいいところに進学させればよかったと後悔しました」