活動中にはたくさんの出会いに支えられた

今年9月に五ノ井さんが願いを書いた絵馬(本人提供)
今年9月に五ノ井さんが願いを書いた絵馬(本人提供)
【写真】加害者4人からもらった実際の手紙

 活動期間中、励みになったのは“人とのつながり”だったという。

「9月に、明治神宮にお参りをしたんです。絵馬に“調査の結果が出て、謝罪をもらえますように。未来は輝いていますように”と書いて、その写真をSNSにアップしました。すると、応援してくださっていた方たちが、その画像を自分たちのSNSのアイコンにしてくれて。すごくうれしかったです。

 こうして多くの方が署名活動などに協力してくれたおかげで、今回の結果が出ました。1人ではできなかったことだし、世間のみなさんのご協力の賜物だと思っています。本当に励みになりました。心から感謝しています」

 今回の件で、思いもよらない縁も生まれた。

「テレビや雑誌、YouTubeなどのメディアの方はもちろん、同じように性被害の告発を検討されている方とも知り合えて、誹謗中傷の件も含めて支え合ってきました。ほかにもスポーツ選手や議員の方など、本当にいろいろな人が応援してくれたり、言葉をかけてくれました。たくさんの出会いがありましたね」

 ひとまず大きな目標は達成した。五ノ井さん自身の今後やりたいことを聞くと、はにかみながら答えてくれた。

「柔道が好きなんですが、最近はなかなか取り組めていなかったので、道場で身体を動かしたいですね。あとは、人を笑わせることも大好きなんです。これからは被害者としてではなく、ひとりの人間として強く生きて、いろんな人を笑顔にさせたい。私がそうして生きている姿を見て、元気を出してくれる人がいればいいなと思います。将来の夢は……大好きな『世界の果てまでイッテQ!』に出ることですかね(笑)」

 止まっていた時間が、ようやく動き出した。