一方、岡田美里に憧れる“ミリラー”といわれるファンもいる。ファンのなかにはミリラー歴数十年という女性も多く、山梨移住後は彼女たちに向けYouTubeで自身のライフスタイルを発信。変わらぬ美貌と笑顔を届け、ファンの期待に応えている。

「質問でよく寄せられるのが、お洋服の選び方や、50代からの豊かな気持ちの持ち方、あと私の恋愛遍歴について。恋愛の失敗はたくさんあります。若いときなど、それはもう本当にありすぎるくらい(笑)」

バッシングで「雑誌の表紙すら見なかった」

 E・H・エリックさんを父に、岡田眞澄さんを叔父に持ち、10代のころからモデルとして活躍。28歳で結婚すると“元祖カリスマ主婦”と呼ばれ、「婦人女性誌の表紙を最も多く飾った女性」に3年連続で選出される。2女に恵まれ、理想の結婚生活に見えたが、離婚。会見での発言が取り沙汰され、バッシングの嵐にさらされた。自らの人生を「ジェットコースターのよう」と語る。

「最初の結婚をうまくできなかったというのが、やはり一番下に落ちた瞬間でした。バッシングを受けたときは、雑誌の表紙すら見ませんでした。反省すべきことはしつつ、テレビもすべて消し、ネガティブな波動をなるべく身体に入れないように過ごしていました」

 浮き沈みを幾度も経験し、気づいたことがあるという。

「人は一番下に落ちたら後はもう上るしかない。彼に出会ったときもそう。新幹線でマネージャーに励まされ、品川駅に着いたら上り階段が目の前にあった。それを見た瞬間、“私にはもう上る階段しかない!”と思ったんです(笑)。大切なのは、下に落ちたとき覚悟を決めて上ること。そうしたら本当に上ってこられた」

 現在は東京と山梨の二拠点生活を送る。山梨ではローカル番組『スゴろく』(テレビ山梨)の出演と施設でのジャム作りを継続。東京では代表を務めるデンマークジュエリーブランド『トロールビーズ』の新店が昨年5月、代々木にオープンしている。

「覚悟を決めて階段を上ってきたけれど、今もまだ上り切ったという気持ちはなくて。この先、施設の人たちのことも考えていきたいし、できれば以前も行っていた紅茶の取り扱いも再開したい。計画していることもたくさんあって、これからも階段を上っていけたらと思っています」


取材・文/小野寺悦子