治療むなしく再再発で生存率0%

 苦しい治療を乗り切った善本さんだが、その後の検査で今度は肺などに3度目の再発が見つかってしまう。

「主治医は抗がん剤ならまだできると言ってくれましたが、どう考えても抗がん剤だけでは治らない。実際、あとから主治医に聞いたところ、このとき『生存率は0%』だったとのこと。命の危機を実感して、助かる方法を探すために必死で勉強しました」

 すると善本さんと同じような転移に悩まされていたがん患者さんのブログにたどり着いた。だが、その患者さんは善本さんが提案されていたものと同じ治療を受けるも、残念ながら命を落としたことを知る。

肺に転移した病巣を摘出した開胸手術の痛々しい傷痕。骨や神経の一部も切断したため、術後は横になって眠ることもできないくらい痛みがひどかったという
肺に転移した病巣を摘出した開胸手術の痛々しい傷痕。骨や神経の一部も切断したため、術後は横になって眠ることもできないくらい痛みがひどかったという
【写真】善本さんの5度のがん闘病年表と治療中の実際の写真

「主治医をとても信頼していましたが、その治療法では助からないと思い、セカンドオピニオンを決断しました」

 そして父親の紹介で、婦人科がんの名医を訪ねるために東京へ行くことに。その名医に、最終的に善本さんを救うことになる、当時、東京共済病院腫瘍内科部長(現ナオミクリニック院長)の岡田直美先生を紹介してもらった。

「岡田先生に会うと『娘さんの元に帰してあげるから、1年間頑張ろう!』って言ってくれて。実は東京のもう一つのセカンドオピニオン先で、『もう手の施しようがない』と言われていたので、岡田先生の言葉は涙が出るほどうれしかったです」

 その後、岡田先生が主治医として監修する形で各治療の専門医と連携しながら、手術や、高濃度の抗がん剤を病巣に入れる治療、加速した炭素粒子を病巣に照射する重粒子線、高周波の電流で病巣を焼き切るラジオ波焼灼術など、実に5種類もの治療を受けた善本さん。

 その間にも肺、鎖骨、肝臓など、全身の転移が2度発覚したが、2013年12月にはすべてのがん細胞を消滅させ、なんと「残存病変ゼロ」となった。

 合計して5度も再発転移があったにもかかわらず、善本さんはなぜ助かったのか。実は先述の治療は常識的にはやらない治療なのだという。どういうことなのか。