目次
Page 1
ー 腹痛や虫歯と間違えて手遅れになることも
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ー 怖いのは合併症!半身まひ、意識障害も
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ー 60歳過ぎたら不活化ワクチンで予防

「髪が顔に触れるだけで激痛が走り、メイクをすると気絶するかと思うほどでした」

 と、タレントのハイヒール・モモコさんは報道で、帯状疱疹(ほうしん)による痛みを明かした。耳の中まで発疹が広がり、'18年に発症してから、現在も“帯状疱疹後神経痛”の痛みと闘っているという。

腹痛や虫歯と間違えて手遅れになることも

「帯状疱疹は、ただ皮膚にボツボツ発疹ができるだけの病気ではありません。神経にダメージを与え、つらい後遺症や合併症を引き起こす怖い病気なのですが、近年罹患者が増加傾向にあります」

主に上半身、片側の目の上から額にかけて、お腹の側面に出ることが多い。このほか、首、腕、臀部や脚に出ることも(イラスト/ますみかん)
主に上半身、片側の目の上から額にかけて、お腹の側面に出ることが多い。このほか、首、腕、臀部や脚に出ることも(イラスト/ますみかん)

 とは、帯状疱疹に詳しい、皮膚科医の松尾光馬先生。

「帯状疱疹は水ぼうそうと同じ“水痘・帯状疱疹ウイルス”が活性化して起こる病気です。

 水ぼうそうにかかると、そのウイルスが神経節に潜伏しますが、疲労やストレスによる免疫力の低下などにより、それが再び暴れ出し、神経を伝わり皮膚に発疹が生じます。その時に神経に炎症が生じ、痛みも伴います」(松尾先生、以下同)

 50代以上に多い病気だが、近年、20〜30代の若い世代で罹患(りかん)する人も増えている。

「これは2014年に水ぼうそうのワクチンが市区町村で行う定期接種となったことが原因と考えられます」

 子どもが水ぼうそうにかかると、そのウイルスに親も触れることで免疫機能を高めることができた。しかし、予防接種で水ぼうそうにかかる子どもが減り、そのブースター効果が得られず、親世代の帯状疱疹が増えたのだ。

「さらに、コロナにかかった後、帯状疱疹になるケースが多いことがデータ上明らかになっています。詳しいメカニズムはわかっていませんが、コロナの罹患が免疫の変調を起こし、ストレスの負荷なども相まって発症の引き金となっているのでしょう」

 80歳までに3人に1人はかかるといわれる帯状疱疹。女性は男性よりも、1.4倍かかりやすいという。

「痛みから始まることが多いので、腹痛、頭痛が出ると内科へ、手足、腰の痛みの場合は整形外科へ、あごの場合は歯科へかかってしまうことが少なくありません。

 発疹が出るまでは、帯状疱疹の診断がつきませんので非常に判断が難しく、間違った手当てをすることもあるようです。痛みの後にボツボツが出てきたら、すぐに皮膚科を受診してください」

 痛みが出てから通常は4~5日で、発疹が出てくるということを意識しておきたい。

帯状疱疹の特徴的な症状
□皮膚や、その奥にチクチク、ピリピリするような痛みがある
□腹痛、頭痛、歯痛など、顔や身体の痛みが数日続く
□痛みがある場所に、ポツポツと発疹が出る
□発疹が身体の片側だけに出る
□発疹が水ぶくれになり、ただれる