“支出の意味”を見極めること

私は既存のジャンル別家計簿では文字の羅列から情報を読み取るのが苦手だったんです。『要・不要』別にすることで支出の傾向がひと目でわかるようになりました。この方法に行き着いたのは、片づけの経験からなんですが、家計簿においてもそれが応用できると気づいたんです

 無理にすべてを削る必要はない。ただ、「不要費」に気づくだけで、節約は自然と始まる、となぎさんは話す。

「『要・不要別の家計簿』をつけるとき、細かくは支出を固定費、生活費、贅沢(ぜいたく)費、不要費の4分類で記録していきます。そして、まずは固定費から見直していくと、費用対効果が高くなります。

 固定で出ていくお金は一度払うと決めるとその後は放置状態になるので、不要なものがないか真っ先にチェックする必要があります。最初の手間だけでその後大きく節約できるものが見つかる可能性が高いです」

 固定費の次は、不要な支出の見直し。

ここにあぶり出されたものから、なぜ買ってしまったのか、どうしたら今後買う行動をせずに済むのかを考え対策することで不要なものを買わずに済むようになります。

 例えば、手数料のかからない銀行にかえる、在庫を把握できるように片づける、服は購入時必ず試着するなど、改善するべきことが見えてきます」

 贅沢費に関しては、やればやるほど減らすこともできるが、ほどほどに。

生活や生命に直結する支出ではないため、頻度や量などを調整したい支出です。ただし、人生はお金を貯めることだけが目的ではないので、要・不要の判断が重要です。貯金優先と考えてしまい、友人からの誘いを断ってばかりで疎遠になってしまうのも寂しいですよね」

 生活費は最後に見直すべき項目。

生活や生命に直結する支出が多いため無理をすると続きにくいもの。心身の健康を損ねないよう、まずはできる範囲で節約しましょう

 この4つの分類はそのときどきの生活状況に合わせて「養育費」や「推し活費」などといった項目にしてもOK。

「節約や貯金に大切なのは習慣と継続です。節約のために何でもかんでも支出を削ることは推奨しませんし、これを削るべきと具体的なものはいえません。何が苦に感じるのかは人によって違うからです。無理のない範囲で節約できることはないか定期的に確認することが大切です」