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ー 世界最高齢の声優は96歳
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ー 声優ならではの仕事

 

 アニメ『アンパンマン』の人気キャラ・おむすびまんの声優交代が、“超大御所バトンタッチ”と話題に。

 おむすびまん役を約36年間担当した声優・京田尚子(90)が4月、高齢を理由に降板、後任に88歳の野沢雅子が起用されたのだ。レジェンドたちの交代劇にネットは《声優業界 80~90歳で現役いるのがすごすぎる》と沸き立った─。

世界最高齢の声優は96歳

大山のぶ代(2004年)
大山のぶ代(2004年)

 実際、声優は寿命が長い。“世界最高齢の声優”といわれたのは2020年に亡くなった久米明さん(享年96)で、亡くなる前年まで仕事を続けたという。また「ドラえもん」の初代声優を務めた大山のぶ代さんは享年90、のび太役や『ヤッターマン』のドロンジョ役を務めた小原乃梨子さんは享年88だった。

 現役を例に挙げれば、前出の野沢は今年2月に毎日芸術賞特別賞を受賞し、贈呈式で「182歳まで(声優を)やる」と意欲を示すほど。

 サザエさんの声を担当する加藤みどり(85)は50年以上のキャリアを持っている。また、ロバート・デ・ニーロやシルベスター・スタローンらハリウッドスターの吹き替えを担当してきた羽佐間道夫(91)は、久米さんの世界記録を塗り替えるかもしれないお達者ぶり。

 日本の声優が長寿で若いのはなぜか。『進撃の巨人』モーゼスの母役や情報番組『とくダネ!』のナレーションなどの代表作を持つ現役ベテラン声優・寺瀬今日子さん(66)にその理由を聞いた。

「まず、定年がないので、いくつになっても働ける! 80歳でも子どもの声が出せる人ばかりの世界で、大ベテランと若い新人がオーディションで役を取り合う。年上でもベテランでも忖度なしの実力勝負です。“ここまで売れたからもう安泰”ということがない、他にはない職業だと思います」