声優ならではの仕事
次に“常に人目につく仕事だから”という理由も。
「オーディションもそうですが、まず現場の緊張感、そして褒められ体験がある。役がもらえれば、前向きなエネルギーが出て自己肯定感がアップします。また自分が演じたものをテレビで見て振り返りの体験もできる。女優さんが世に出てどんどん美しくなっていくように、声優も社会と関わっていくことで、若さを保っていられるのかもしれません」(寺瀬さん、以下同)
ほかにも声優ならでは(?)の健康留意点が。
「役から降ろされるので、風邪は絶対にひけない。コロナ前からマスクは必須でした。あと歯科医には定期的に通っています。入れ歯などになったらチャンスを失いかねないですから。台本を読んで発声したり表現したりで頭も使うので、認知症を発症する方も少ないと思います」
高齢者に多い誤飲、誤嚥の事故なども、口腔を鍛える声優には少なそうだ。
「まずこの仕事が大好きで、ずっと続けたいという人ばかり。それも私たちが若いまま長く仕事を続けられる秘訣なのかもしれませんね」
仕事愛がパワーの源かも。素人がまねできることは?
「声帯は筋肉のひとつなので発声練習を。声優は舞台や落語、シャンソンや長唄などで鍛える人も多いですが、カラオケで十分です。あえて高音や低音を出して音域を広げて、テンポのよさも意識してみて。日常では深い呼吸法や胸を開いた姿勢を保つことを心がけてください」
取材・文/山部和歌子