熟年結婚は現実重視!譲歩と妥協も重要

 とはいえ、熟年結婚までの道のりは決して平たんなものではない。まず立ちはだかるのがシニア婚活の壁。

婚活に条件はつきものですが、シニアの場合、相手に対するリクエストが多すぎると、結婚を遠ざけます。特に初婚者は、夢見がちな傾向が強い。

『すごく優しかったけど、手が自分の好みじゃなかった』『服装は清潔感があったけど、耳毛が出ていた』など、小さなことにこだわる人が多い印象です。50代以降の婚活については、結婚の現実を知っている離婚経験者のほうが有利といえますね」

 さらに、年金や相続、親の介護などの問題を頭に置いておかなければならない。

夫と死別した女性の再婚では、あえて事実婚を選ぶ人もいます。入籍してしまうと、遺族年金の受給がストップするからです。ただ事実婚の場合、新しい夫の財産を受け継ぐ相続人にはなれません。そのため、遺言書を残しておいてもらう必要があります

 このように熟年だからこその心配もあるが、先の心配ばかりするのは禁物。

「結婚には決断と覚悟が必要です。年を重ねてからの結婚はなおさらですね。何が起こっても、この人と一緒にいれば解決できる─。そう思える相手かどうかで結婚後の明暗は分かれるでしょう」