眞子さんの結婚だけではない、バッシングの根本
「私と圭さんの結婚について、さまざまな考え方があることは承知しております。(中略)私にとって圭さんはかけがえのない存在です。そして、私たちにとって結婚は、自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択でした」
2021年10月26日、眞子さんは大学時代の同級生、小室圭さんと結婚し、皇室を離れた。東京都千代田区のホテルで2人そろって記者会見し、眞子さんは前述のように発言した。'17年5月、NHKが夜のニュースで、眞子さんの婚約内定を特ダネとして報じて以降、結婚までの4年5か月もの間、眞子さんの結婚は迷走を続けた。
'17年9月、眞子さんたちの婚約内定会見が行われ、順調に進むかに見えた同年末、義母と元婚約者との間の金銭トラブルが発覚し、事態は暗転した。そして、'18年2月、宮内庁が2人の結婚延期を発表した。'18年11月の誕生日会見で秋篠宮さまは、次のように話した。
「(略)2人にも私は伝えましたが、やはり、今いろんなところで話題になっていること、これについてはきちんと整理をして問題をクリアするということ(が必要)になるかもしれません。そしてそれとともに、やはり多くの人がそのことを納得し喜んでくれる状況、そういう状況にならなければ、私たちは、いわゆる婚約にあたる納采の儀というのを行うことはできません(略)」
秋篠宮さまは、小室家の金銭トラブルの解決と多くの国民に納得し喜んでもらえる状況にならなければ、正式な婚約にあたる納采の儀は行えないと、国民に向かって明言したのである。しかし、最後まで金銭トラブルは解決せず、秋篠宮さまの要望が叶うことはなかった。
《婚姻は、両性の合意のみに基いて成立する》と謳う憲法に従い、2人の結婚を認めたものの、「多くの人が納得し、喜んでくれる状況」にないことを踏まえた秋篠宮さまは、内親王の結婚に伴う諸儀式を行わないという重い決断を下した。
また、結婚した2人が天皇、皇后両陛下に挨拶する朝見の儀などを、天皇陛下は認めなかった。内親王が皇籍を離れる際の一時金も、眞子さんの意向で支給されなかった。結婚式も行わない、まさに内親王としては「類例を見ない結婚」(秋篠宮ご夫妻)となったのである。
現在まで続く、一部の人たちの秋篠宮家へのいわれのない批判や反発などは、眞子さんの結婚をきっかけに始まったと見てよいだろう。しかし、それだけではなかろう。
119代光格天皇(在位1779~1817年)から、120代仁孝天皇、そして次の孝明天皇、明治天皇、大正天皇、昭和天皇、さらに、125代の上皇さまから現在の126代天皇陛下まで、天皇の位である皇位は、代々、親子間で受け継がれてきた。
しかし、今の陛下の次、皇位は弟の秋篠宮さまに移り、その後は悠仁さまなど秋篠宮さまの子孫に継承されていくことになる。これまで8代、200年以上にわたって続いてきた親子継承が途絶え、兄から弟への兄弟継承が行われる。長男の系統から次男の系統に皇位が移動するという「ねじれ」が、秋篠宮家バッシングの根本にあると、私は考えている。