パスタを食べるなら鯖缶と小松菜をプラス
忙しさや面倒なときは、手軽なパンやパスタだけで食事を済ませることが多くなりがちだが、それでは糖質過多の生活になる心配が。しかし、久持先生は「ある食材を加えればそれでも大丈夫」と言う。
「パスタで手軽に済ませたいと思ったときは、私は鯖缶と小松菜をプラスします。鯖缶は、タンパク質やカルシウムに加え、認知機能の維持に役立つDHAや血液をサラサラにするEPAも豊富。小松菜にはカルシウムのほか、血液をつくるのに欠かせない鉄分、抗酸化作用のあるビタミンCなどが多く含まれています。缶詰なら開けるだけ、小松菜もサッとゆでるだけなら、そんなに手間にはならないので重宝しています」
久持先生の健康に対する考えは“禁止”ではなく、よりよいほうを“選ぶ”ことだ。
「健康に関する情報はいろいろあるけれど、あれもダメ、これもダメと制限をしすぎると続けにくい。私の場合は、『おやつを食べたくなったら、脂肪分の多い生クリーム系よりも栄養価の高いナッツ類』に変更したり、『お酒を飲むときは、抗酸化作用のあるポリフェノールを含む赤ワイン』を飲むようにしています。ほかにも『コーヒーを飲むときは、シナモンを入れて血糖値の上昇を緩和』するなど……。そういう知識を身につけて、健康に良いことを選択できるようになると、ストレスなく健康的な食生活が送れるようになりますよ」
久持先生は、中高年以降の女性がかかりやすい疾病として「乳がん」と「大腸がん」に注意してほしいと言う。では、予防のために、どんな食材をとればいいのだろうか?
「乳がん予防には、高脂肪な食べ物や乳製品をとりすぎないことです。揚げ物、バター、肉の脂身、ベーコンやソーセージといった加工肉、生クリームのケーキなどは、いずれも高脂肪な食品です。乳製品には、乳がんリスクとの関連が指摘されるエストロゲンなどのホルモンが含まれている場合もあります。ただし、まったくとらないのは、ストレスになってしまうため、量を控えめにしたり、低脂肪のものに置き換えたり、まずは無理のない工夫から始めてみてください」
大腸がんのリスクを減らすためには「食物繊維や発酵食品を積極的にとり、腸内環境を整える食事を。私がいつも食べているのは、良質なタンパク質であり、食物繊維豊富な納豆に、発酵食品のキムチ。これは最高の組み合わせですよ」とアドバイス。