名医が選んだ腎臓若返り食材

 それぞれの食材が腎臓にどのように効果的なのか、上月医師に簡単に説明してもらった。

1 ごぼう

「ごぼうには食物繊維が多く含まれており、食物繊維は体内に糖が吸収されるのを遅らせて食後の急激な血糖値の上昇を防ぎます。血糖値の急上昇は腎臓の大事な血管を傷つけるため、急上昇させない食物繊維は腎臓を守ってくれる強い味方です。さらに、食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、どちらも腎臓にとって大事ですが、ごぼうはそれらがバランスよく含まれている数少ない食材なのです」(上月先生、以下同)

2 きのこ

「きのこ類に含まれている水溶性の食物繊維は、私たちの腸の中にいる善玉菌の“エサ”になり、善玉菌の数を増やしたり活性化させたりするため、腸内環境を整えてくれます。腸内環境が乱れると腎機能が低下するので、きのこは腎機能を高めるのに役立ちます。日々の食生活にぜひきのこを取り入れてください」

3 こんにゃく

「こんにゃくに含まれている不溶性の食物繊維は、便のかさを増やして腸の蠕動運動を促し、便通を改善させる働きがあります。近年、便秘になると腎臓に悪影響を与えることがわかってきて、アメリカの研究では便秘が重くなるほど慢性腎臓病になるリスクが高くなると判明しました。腎臓病のリスクを下げるためにも便通をよくすることは大事なのです」

4 海藻

「海藻には善玉菌の“エサ”になる水溶性食物繊維が含まれているため、腸内環境をよくしますが、じつは海藻をエサにできる善玉菌は欧米人には少なく、日本人に多いと言われています。それは私たちの先祖が海藻を習慣的に食べてきたことで、海藻をエサにすることができる善玉菌が日本人の腸に定着したため。私たちにとって特別な食物繊維と言えるので、ぜひ海藻を食べて後世に引き継ぎたいものです

5 鶏むね肉

「タンパク質は腎臓に負担をかけるため、腎機能が低下している場合はタンパク質を食べすぎないことが重要ですが、大事な骨や筋肉を作ってくれているのもタンパク質です。そこでおすすめなのが、少ない量でタンパク質を多くとれる肉。鶏むね肉やささみが最適です。豚肉や牛肉の場合は、ヒレや赤身を選んでください」