6 脂ののった魚

「魚の脂はオメガ3脂肪酸と呼ばれる種類の脂で、血管を健康に保つ働きがあります。腎臓は毛細血管のかたまりでできていますので、血管を健康に保つことは腎臓にとってとても重要です。おすすめは缶詰。脂がポイントなので、脂の多いさば缶やいわし缶、さんま缶を選ぶようにしてください

7 ブロッコリー

「ブロッコリーには植物が有害なものから身を守るために作り出すファイトケミカルが豊富に含まれています。その一種であるスルフォラファンには強力な抗酸化作用があり、活性酸素による細胞の損傷を防いで腎臓を守る働きがあります。スルフォラファンは、ブロッコリーの芽であるブロッコリースプラウトに特に多く含まれており、最強の抗酸化野菜として注目を集めています」

8 トマト

トマトには抗酸化作用を持つリコピンが豊富に含まれているため、細胞の損傷を防いで腎臓を守る働きがあります。また、リコピンには善玉コレステロールを増やす効果も。善玉コレステロールは血管にたまった余分なコレステロールを回収したりして血管をしなやかにして血管を若返らせます。腎臓には血管が多く集まっているので、トマトは積極的に食べたい野菜のひとつです」

9 玉ねぎ

「玉ねぎにはファイトケミカルの一種で、腎臓を守ってくれる抗酸化作用を持つケルセチンが豊富に含まれています。また、ケルセチンには血圧を上げにくくする作用もあることがわかっており、高血圧の予防に効果的です。血圧が高い状態が続くと血管が硬くなって血管の老化が進むので、血管の健康のためにもケルセチンは大事です

 以上が上月先生が厳選した9種類の腎臓若返り食材だ。ぜひ、日々の献立に取り入れて、人工透析を遠ざけてほしい。

 なお、これらの食材を使った公式レシピ本も発売されている。メニューを考えるのが面倒だという人は下のレシピ本をぜひどうぞ。

『腎臓を若返らせる名医のスープ』
上月正博先生著 主婦と生活社 定価:1650円(税込)

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●この本に掲載されているレシピには腎臓若返り食材がすべて使われている
●“腎臓病食”にありがちな物足りなさを解消する工夫がたくさん
●汁物は水に溶けだす栄養素も余すことなくとることができる
●作り置きできるので忙しい人でも続けやすい

上月先生からのメッセージ
腎臓病のためのレシピ本は数多くあります。ただ、ページを開くと計算式だらけ。複雑すぎて何がなんだかわからないと思います。そこで、計算する必要のない食事法を考案しました。その柱になるのがスープです。腎臓病の食事療法にトライしたけど挫折してしまった人や、医師から「食事に気をつけて」と言われたけどまだ何もできていない人にぜひこの本を役立ててほしいと思います。

上月正博先生
上月正博先生
上月正博先生
東北大学名誉教授、山形県立保健医療大学理事長・学長。1981年東北大学医学部卒業。2000年東北大学大学院内部障害学分野教授、2002年東北大学病院リハビリテーション部長(兼任)、2010年同先進統合腎臓科学教授(兼任)、2022年より現職。日本腎臓リハビリテーション学会理事長、国際腎臓リハビリテーション学会理事長、日本リハビリテーション医学会副理事長、日本心臓リハビリテーション学会理事などを歴任し、2022年に日本腎臓財団功労賞を受賞。著書・監修書多数。