ダイエットに励み身体はボロボロだった

 熊切は普段からかかりつけ医を持ち、体調に不安があればすぐに相談できる態勢を整えていた。

独身で一人暮らしなので、家で倒れてしまったら助けてくれる人がいません。自分の身体のメンテナンスが一番の保険なんです

 45歳とは思えない抜群のプロポーションを維持している熊切だが、20代のころはグラビア撮影のため健康を害するようなこともやっていた。

食べたあとにお腹がポコッと出るので、撮影前に下剤を飲んでいたんです。下剤を常用していると、飲まないと便秘になってしまうため、薬の量がどんどん増えていきました。しまいには下剤でも出なくなってしまって、浣腸をしてまで出したこともあります。細い=美しいと思い込んで、食事制限をしてダイエットに励み、身体はボロボロでした

劇団の主宰者で坂本龍馬役の泉堅太郎とディスカッションする熊切あさ美 撮影/山田智絵
劇団の主宰者で坂本龍馬役の泉堅太郎とディスカッションする熊切あさ美 撮影/山田智絵
【写真】ホルモン補充療法で更年期の症状が改善した熊切あさ美

 今は週1回の筋トレと週1回のキックボクシングで健康的な美しい身体をつくっている。食べすぎたときやストレスがたまったときは、ランニングをするのも習慣になった。

40代の今のほうが20代のときよりもいい身体をしていると思います。ただ細いだけでなく、筋肉も脂肪もついて、しなやかなラインがつくれています。顔が痩せるとやつれて見え、多少お肉がついていたほうが若々しく見えることにも気づきました
 キックボクシング歴はもう10年になる。

「キックボクシングは、終わった後、視力が良くなったみたいに周りがパッと明るくなって爽快なんです。疲れたときこそ逆に行くようにしています」 

 通っているジムではタレント仲間に会うことも多い。

「芸能界で売れている人ほどよく見かけるので、やっぱり努力されているんだな、私も頑張らなくてはと励みになります」

 インスタグラムを見たファンからのメッセージもトレーニングを後押ししてくれる。

「頑張っている姿を見ると励みになります、身体を見てジムトレーニングを始めましたなどと言ってもらえることが増えました。押しつけはしないですが、自分の経験したことを伝えて、それが誰かの役に立っているのならうれしいですね」

 20代のときの極端な食事制限とは打って変わり、今は食べたいものを我慢しない主義だ。

トレーニングをするようになってから、お肉を食べるようになりました。白米も大好きです。食べたいものを我慢するとストレスになるので、撮影のないときは気持ちの赴くままに食事をするようになりました