「もしもの備え」で先々も安心

自分が亡くなったときの事務手続きは、思っている以上に多い。
早めの準備が肝心

 生前、おひとりさま生活を送っていた人も、死後は必ず誰かの助けが必要になる。死後の事務手続きは膨大。生前に、信頼できる人と「死後事務委任契約」を結んでおけば、死後の手続きがスムーズに。

解決するためのポイントをチェック

1:自治体は遺品整理をしてくれない

 自治体が行うのは、身寄りのない死亡者の火葬など、最低限の手続きのみ。死後の手続きは多いので、生前に誰かに依頼し、お礼と報酬を残しておくことも忘れずにしておこう。

遺品整理には、いくらかかる?
 生活スタイルにもよるが、例えば、おひとりさまのワンルーム(賃貸)の遺品整理は、10万~15万円ほどの費用がかかる。遺品が多いほど、費用は高くなる。

2:死後の手続きを依頼できる「死後事務委任契約」

 生前に、死後の手続きを依頼できる「死後事務委任契約」がある(左ページ参照)。おひとりさまが、残された人に迷惑をかけず、自分らしく最後を迎えるために、必要な契約となる。

死後の手続きはこんなに多い!
●亡くなったらすぐにやること
・死亡診断書の受け取り
・葬儀社の手配
・遺体の受け取り
●葬儀までにやること
・死亡届の提出、埋葬許可の申請
・通夜、葬儀、告別式
●10~14日以内にやること
・世帯主変更の届出
・健康保険資格喪失の届出
・介護保険被保険者証の返納
・年金支給停止の手続き
●葬儀後落ち着いたらすみやかにやること
・電気、ガス、水道、電話、NHKの解約
・クレジットカード、定期購買契約の解約
・運転免許証、マイナンバーカードの返却
・所得税の準確定申告と納付
●10か月以内にやること
・遺産分割協議書の作成
・相続税の申告と納付
・銀行口座の解約
・不動産、自動車の名義変更

3:パスワードなどはわかるようにしておく

「死後事務委任契約」では、サブスクリプションサービスや定期的に購入している物の解約、SNSやメールのアカウント削除なども依頼できる。パスワードなどはノートにまとめておき、死後、見つけてもらいやすい場所にしまっておこう。

「遺産が少ないから相続は決めていない」はNG

 死後、問題となりやすいのが相続。相続人の間で、遺産の分割について話し合いがつかない場合は、家庭裁判所の遺産分割調停(または審判)の手続きを利用できる。調停を利用した遺産の額面の3分の1は1000万円以下※5

 生前に疎遠でも、遺産が少なくてももめるケースはある。そうならないように、誰に何を残したいか、遺言書を作っておこう。ルールにのっとっていないと、無効になるので注意が必要。「公正証書遺言」は、時間も費用もかかるがおすすめの方法。

※5 令和6年司法統計年報