目次
Page 1
ー 肌は年齢とともに乾燥しやすくなる
Page 2
ー かゆみはかかずにまず冷やす
Page 3
ー 保湿で乾燥を防ぎかゆみを予防

「年齢を重ねた方に限っていえば、冬は肌トラブルが多い季節です。私の皮膚科にも、冬になるとかゆみを訴える高齢の患者さんが多く来院されます」

 そう話すのは、いけがき皮膚科院長の生垣英之先生。生垣先生いわく、かゆみの大きな原因は乾燥なのだそう。

肌は年齢とともに乾燥しやすくなる

「肌を乾燥や刺激などから守る働きをするもののひとつが皮脂です。年齢とともに皮脂腺の働きが低下すると皮脂の分泌が少なくなるので、乾燥しやすくなる。

 また、肌の表面にある角層には水分を保持する働きのセラミドという物質があります。セラミドも加齢とともに減りやすくなるため、高齢になるほど肌の乾燥が強まるんです」

 身体の中でも、特に気をつけたいのはすねの乾燥だ。

「かゆみを訴える患者さんを診ていると、すねが乾燥している方がすごく多いんです。すねは皮脂腺が少なく衣服の摩擦を受けやすい上に、心臓から遠く血流や代謝が低下しやすい部位です。年齢とともに血管が細く弱くなると血流がさらに悪くなりますから、どうしても乾燥しやすくなってしまうんです

 かゆみは一見、軽い症状のように思えるが、悪化すると生活や体調に影響を及ぼすこともある。

「僕自身、アトピー性皮膚炎を患っていたことがあるので、かゆみのつらさはわかります。実際、かゆみで眠ることができずに来院される患者さんは多い。睡眠不足になると生活や仕事の質が落ちますし、免疫力も低下してしまいます。

 そうなると感染症や帯状疱疹(ほうしん)を発症してしまうこともあります。また、眠れないほどのかゆみはイライラや焦りといった精神症状にもつながります

 かゆみをきっかけに大病が見つかった患者さんもいるという。

「高齢の患者さんが『背中に5ミリくらいのほくろのようなボツボツが急にたくさんできました』とかゆみを訴えて受診されたことがあります。

 私は内臓に悪性腫瘍がある場合の皮膚疾患を疑い、内科で精密検査を受けていただきました。その結果、初期の胃がんが見つかりました。健康診断を長い間受けておらず、皮膚に赤み(炎症)を伴わないかゆみが長く続く場合は注意しましょう

ローションタイプの保湿剤は塗りやすい代わりに保湿効果は低め。軟膏は塗った後のベタつきが気になるものの、保湿効果は大きい
ローションタイプの保湿剤は塗りやすい代わりに保湿効果は低め。軟膏は塗った後のベタつきが気になるものの、保湿効果は大きい