保湿で乾燥を防ぎかゆみを予防
かゆみの対策でいちばん効果的なのは、かゆみを生じさせないこと。
「そのために大切なのが、保湿です。皮膚科で処方される保湿剤はもちろん、市販のものでもかまいません。お風呂から出たら水分を押さえるように身体を拭いて、すぐに保湿剤を塗っていただきたいです。乾燥しやすいすねにも忘れずに塗ってください」
生垣先生は皮膚の乾燥を最小限に抑える入浴法を提唱している。
「熱いお湯は皮脂を必要以上に奪ってしまうので、38℃程度のぬるめのお風呂が理想的です。乾燥が気になる方はボディタオルなどで身体をこすらず、石けんを手で泡立てて皮脂の多い脇の下や足の裏、陰部のみをなでるように手で洗い、それ以外はお湯で洗い流すだけにしてください。
患者さんには『それだけで汚れが落ちるんですか?』と驚かれるのですが、普通の汚れならお湯だけで十分なんです」
かゆみが生じないよう保湿や入浴の仕方に気をつけつつ、肌トラブルが多いこの季節を乗り切りたいものだ。
かゆみの正しい対処法
1.かゆみが出たらまずは冷やす
冷やすと皮膚の温度が下がり、神経の伝達が鈍くなるため、かゆみの信号が伝わりにくくなる。また、皮膚の血管が収縮してかゆみや赤み、熱感が落ち着くという効果も。
2.肌に赤みがないなら保湿剤、赤みがあるなら薬を塗る
赤みがないのは乾燥が主な原因のかゆみなので、保湿剤で皮膚のバリア機能を回復させる。赤みがあるのは炎症が残っている証拠。再発予防のためにも薬を塗って炎症を抑える。
3.薬を塗った上から冷やす
薬によっては皮膚内部が温まり、一時的にかゆみが悪化する場合も。その場合、塗ったあとに軽く冷やすとよい。冷やすのは薬が肌になじんでから、かゆみが収まる程度の時間に。長時間はNG。
気をつけて!「キケンなかゆみ」サイン
●赤みや乾燥もないのにかゆみが治まらない
肝炎や胆石といった疾患では、胆汁酸などの物質が体内にたまることでかゆみの神経を刺激し、かゆみが生じることが。
●手のひらがムズムズかゆい
腎臓の疾患では老廃物の蓄積による神経刺激で手のひらがムズがゆくなることがある。また、悪性リンパ腫などの血液疾患でもかゆみの症状が手のひらに生じることも。
●かゆみとともにほくろのようなボツボツができた
かゆみとともに生じるボツボツはレーザー・トレラ徴候と呼ばれ、胃がんや大腸がんなどの消化器系がん、乳がん、肺がんなど、悪性腫瘍がある場合に現れることがある症状のひとつ。
教えてくれたのは……生垣英之先生●いけがき皮膚科院長。長野県諏訪市生まれ。弘前大学医学部卒業後、信州大学医学部附属病院皮膚科に入局し、佐久総合病院などを経て2017年茨城県古河市のこだま皮膚科院長に就任し、2019年に現在の皮膚科を継承し開院。著書に『専門医が教える健康な肌に変わる対処法 皮膚トラブルの治し方大全』。
取材・文/熊谷あづさ

















