小さな積み重ねが作る大きな希望

 この春、長男のがくくんは中学3年生、たっくんは支援学校の中学2年生、末っ子のりくくんは小学5年生。すくすくと成長し、それぞれの場所で、日々を重ねている。

「子どもたちが小さいころは絶対ママ!って感じだったのに、最近はパパと男同士の話が合うみたいです。たっくんの子育ても、ずいぶんラクになりました」

 自閉症児は“こだわり”が強いといわれるが、今はたっくんの“こだわりを崩している”ところだという。

「学校へ行くときの着替えや準備のルーティンなど、崩さなくていい部分はそのままに。外出のとき、同じ道だけ通るほうが安心すると思うのですが、通交止めがあったりもするんで、そういうときにもパニックにならないように、いろいろな道を使ってみたりしています。毎週のように外出することで、人混みでのパニックや、聴覚過敏もなくなりました」

たっくん(右)の12歳の誕生日に、家族旅行で山梨県へ
たっくん(右)の12歳の誕生日に、家族旅行で山梨県へ
【写真】癇癪がピークだった頃のたっくんと母・あいさん

 3兄弟の成長を、スマホやPCの画面越しに見守っているフォロワーも多い。子育てに追われる日々の中でも、ネイルやメイクなどのおしゃれを楽しむあいさんの姿は、母であると同時に、ひとりの女性として人生を楽しむ姿が、同じ母親たちに大きな励みを与えている。

「私の場合は、いったん自分でできるところまでやってみる。でも、どうしても苦しいときは、支援者さんや周りの人に頼るようにしています。

 子どもの発達や育児のことで悩むことも多いですが、諦めず、できることをコツコツと、根気よく続けてきました。すぐに変化が見えるわけではないかもしれません。それでも、その時々の子どもと向き合い続けることが、私にできることだと思っています」

 最後に、3兄弟に望むことを聞いた。

「大人になっても、できるだけ兄弟仲良く、それぞれの人生を歩んでほしいですね。たっくんについては、親なきあとに備えて、支援者さんのいるグループホームに入所することなどを、夫と話し合っています。

 そのためにも、ヘルパーさんと外出する移動支援を利用したり、他人に慣れたりと、今から少しずつ自立の準備を進めていければと思っています」


取材・文/小林賢恵