また、和が30歳を過ぎて新たな仕事に就いたことにも背中を押される女性は多いはずだと田中さんは語る。

年齢関係なく挑戦することに必ず意味がある

明治時代の年齢観に照らし合わせると、今の50代からのスタートといった感覚でしょうか。和の行動力を見ていると、やりたいと思ったら、年齢関係なく挑戦することに必ず意味があるのだと思わされます

 現代においても、さまざまな役割を担う女性の労働環境は十分に整えられているとは言い難い部分もある。

でも、和の生きた時代に比べると選択の幅が広がり、より自由に生きられる時代。ですから、次は私たちが勇気をもって道を切り開いていく番ではないかなと思うのです。和たちの奮闘を描く朝ドラが、現代の女性たちが自分らしく一歩を踏み出すきっかけになればと願っています

明治時代、女性社会進出の時代背景

 1860年代の江戸時代、女性の仕事は農作業・家事・育児が中心だった。しかし1868年、明治維新を機に武士社会から、「四民平等」へと社会変化を遂げ、女性の働き方も多様化していく。

 製糸工場で働く女性を皮切りに、教師・医師・看護婦といった専門職に女性が就きはじめるようになったが、職場での男尊女卑の傾向は非常に色濃く、賃金格差はもちろん、労働環境も劣悪なものもあった。

取材・文/河端直子

田中ひかるさん 女性史、女性学を専攻。女性に関するテーマを中心に執筆、講演活動を行う。著書に『明治を生きた男装の女医 高橋瑞物語』(中央公論新社)、『生理用品の社会史』(角川ソフィア文庫)など。