時代が変わっても色あせない“メッセージ”

自宅の書斎でもパソコンに向き合い、原稿を書くことが日常という加藤さん。後世に残したい言葉はまだまだ尽きない
自宅の書斎でもパソコンに向き合い、原稿を書くことが日常という加藤さん。後世に残したい言葉はまだまだ尽きない
【写真】『燃える思想』など、数多くの著書を上梓した30代の加藤諦三さん

「50年後、100年後に読まれても古びない本を書くよう心がけています」という加藤さんの言葉どおり、'70~'80年代の著作ですでに、刺激がなければ満足できない現代人の傾向や、拡大する格差社会について言及している。

 SNSの普及により、常に他者と比較せざるを得ない社会となった今、この状況を率直にどう感じているのか。

「人間は他人に影響されやすい生き物。これは昔も今も変わりません。ただ、どのような社会であっても、自分の中に確かな軸があればそう簡単には揺らがないはずです」(加藤さん、以下同)

 心理学とは、悩める人の前に明かりを灯し、「出口はこちらですよ」と示す営みだと加藤さんは続ける。アメリカの心理学者、デヴィッド・シーベリーの「人間の唯一の義務は、自分自身になることである」という言葉を引きながら、不確実な時代を生きる現代人に向けて、最後にこうエールを送った。

「立派でなければならない、親孝行でなければならない、そんな、“こうあらねば”という思いを捨てましょう。思い込みから解放され、本当の自分を見つけ、幸せに生きてほしい。勇気を持って一歩を踏み出せば、人生は必ず開けていきます」

<取材・文/植木淳子>

うえき・じゅんこ ライター、編集者。大学卒業後、出版社にて女性週刊誌、男性週刊誌、総合誌などの編集者を経てフリーランスに。人物インタビュー、ライフスタイルやエンタメ、子育て・教育情報などの取材・執筆を手がける。