引退を発表した2026年4月17日の午後、春の園遊会に出席して天皇、皇后両陛下らと言葉を交わした三浦璃来と木原龍一
引退を発表した2026年4月17日の午後、春の園遊会に出席して天皇、皇后両陛下らと言葉を交わした三浦璃来と木原龍一
【写真】振袖姿が新鮮で美しい! 春の園遊会に出席した三浦璃来と木原龍一

 少したつと、実際にそのタイミングが来たという。

「僕と3人でコンディショニングをうまくやって、それをりくりゅうの一番のストロングポイントにしていこうという方針が定まりました。璃来ちゃんはストレートな性格なので、方向さえ決まれば一気に進むタイプで、すごく一生懸命になってくれて。

 その歯車がうまく回り出したのが、北京五輪に出場した2022年から、初めて世界選手権で優勝した2023年くらいの時期でしたね」

 こうして、世界で活躍する機会が増えていったりくりゅう。しかし、その道のりは平たんではなかった。

 2019年8月にペアを結成する直前まで、木原は引退を考えながら、名古屋市にあるスポーツ施設「邦和みなと スポーツ&カルチャー」でアルバイトをしていた。

 当時、木原と一緒に働いていた、同スポーツ施設を運営する東邦ガス不動産開発の飯岡裕輔さんによると、悩みを口にすることもあったという。

僕はスケートしかやってきてない

木原選手は当時20代後半でしたが、同世代が社会に出て経験を積んでいる中で“僕はスケートしかやってきてないや……”と話していたことがありました。弊社の施設でアルバイトをしていたのは、進退に悩んでいた時期で、三浦選手と出会うまで将来への不安があったのかもしれません」

 引退後は指導者の道に進むことを表明しているりくりゅう。飯岡さんは、木原が子どもたちにスケートを教える姿を見たことがあるという。

「以前、古巣のスケートクラブで子どもたちがジャンプの練習をするお手伝いをしていました。ペアについて“リフトとかスローはこんなふうだよ”と見せてあげていたことも。子どもたちの中には、今も競技を続けている子もいます。“あのときのお兄さんって木原選手だったんだ”と知って、練習の励みになると言っていました。こうした姿を見ていますし、優しくまじめな指導者になると思います」(飯岡さん、以下同)