先が見えない不安に襲われる、介護うつに陥った実例!!

 2つの実例を紹介。

実例1 母親が他界して、父親も認知症に

 子育てを終えてから社会保険労務士として起業したMさん。都市部で多忙な日々を送る中、地方で暮らす両親のうち母親が他界。一人暮らしとなった父親が認知症を発症し、地方の実家に戻っての介護を余儀なくされた。「Mさんは父親の介護を『育ててもらった恩返し』と捉えていました。加えて、仕事が忙しく母親の介護、看取りを父親任せだったため、そのことに負い目も感じていました。二重のプレッシャーを胸に介護に専念するも、心身の疲弊は明らか。診療内科の薬を手放せない状態でした」(太田さん、以下同)

実例2 介護中の義母と同居で、肩身が狭く

 要介護の義母と同居して、在宅介護中のSさん。嫁という立場で肩身は狭く、義母との関係も良好とはいえない。そんな中での介護の日々は気が重くなるばかり。「気分転換に買い物に行きたくても、義母が家にいて出かけられない。義母がデイサービスの間に行こうと思っても、近所の目が気になって出かけられない。『あそこの嫁は遊びほうけている』。そう言われているとSさんは思い込んでいるんです。うつ症状を改善するために、精神安定剤を服用されていました」

兄弟姉妹の仲違いが勃発するケースも!

 兄弟姉妹の場合、親の介護でもめやすい。よくあるのが、「親の介護は女の仕事」と考える男性兄弟に対し、押しつけられる側の女性姉妹のほうは納得できず、ケンカになるというケース。「親の介護は兄弟姉妹で協力し合うのが理想。母親は息子、父親は娘のほうが聞く耳を持ちやすいため、それぞれの立場を生かして親に介護施設やサービスの話をするなど、連携して協力するようにしましょう」

太田差惠子さん 介護・暮らしジャーナリスト。京都市生まれ。老親介護の現場を取材し、役立つ介護情報をさまざまなメディアを通して発信。ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、「お金と介護」についても詳しい。企業、組合、行政で講演を行うなど幅広く活躍。著書も多数。
太田差惠子さん 介護・暮らしジャーナリスト。京都市生まれ。老親介護の現場を取材し、役立つ介護情報をさまざまなメディアを通して発信。ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、「お金と介護」についても詳しい。企業、組合、行政で講演を行うなど幅広く活躍。著書も多数。
【写真】あなたは大丈夫?「介護うつ」を招く“危険なロジック”
教えてくれたのは…太田差惠子さん 介護・暮らしジャーナリスト。京都市生まれ。老親介護の現場を取材し、役立つ介護情報をさまざまなメディアを通して発信。ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、「お金と介護」についても詳しい。企業、組合、行政で講演を行うなど幅広く活躍。著書も多数。

取材・文/百瀬康司