医師のすすめで、紺野さんは低用量ピルを服用するようになった。
「卵子は生涯で数が決まっていて、私の場合は卵巣を削った分、少なくなったんですね。だから、残り少ない卵子を取っておくためにピルを飲むことになりました」
病院を出た直後に泣いた
紺野さんは子どもが好きで、いずれは子どもを授かりたいと思っていたという。
「卵巣嚢腫の手術によって将来の可能性が狭まり、傷ついたのは確かです。ピルを飲むようにと処方され、自分なりに情報を調べました。ピルと相性の悪いタバコは絶対に吸いませんでしたし、定期検査にも必ず行くようになりました。そうしてできることを積み重ねていくことで希望を感じていました」
それでも、時折、心が折れそうになることがあった。
「私の卵巣は微弱だけれど2つある、ということに希望を持っていたんです。それだけに、定期検査で右の卵巣がほとんど機能していないと言われたときにはとても落ち込み、病院を出た直後に泣きました」
紺野さんは2019年に31歳で結婚している。
「居酒屋でナンパされて、怪しい人ではないことを確認したくて保険証を見せてもらいました。彼は社会保険に加入している会社員で、私よりもよっぽどまともな人だなぁと思いました」
知り合ってすぐに自身の卵巣の事情を伝えたという。
「私が、酔っ払って傍若無人に振る舞ったり、感情をあらわにしても咎めることもなく、彼はいつも落ち着いた様子で。そんな包容力のある彼だからこそ、気軽に話せたのだと思います。『何か僕にできることはある?』と優しく受け止めてくれました」
同棲をした後に結婚し、紺野さんは先輩から妊活に関するアドバイスをもらった。
「『子どもを持つことを考えているなら、早めにお互いの機能を調べたほうがいい』と言われたんです。卵子の数がわかる検査をしてもらったところ、結果は0.028という数値でした。一般的な同年代の数値は5とか6だそうなので、私はその200分の1程度しか卵子がないということなんです」

















