手続きには期日があるので注意
そして、介護の問題。いざ親の介護となると、肉体的負担や精神的負担だけでなく、経済的な負担も大きい。
「親の介護のために仕事の時間を減らしたり、休業したりすると収入は下がります。それは同時に老後の年金を減らすことにつながります。自身のライフプランに多少なりとも悪影響を及ぼすのです。私のお客さんの例でいえば、親の介護に多額の資金を投じ、自己破産された方もいました。こうした介護の形は好ましくありません」
対策としては、自身の生活やライフプランを守ることが介護の鉄則。できること、できないことをはっきりさせ、できることを前提に臨む。
「親に対しても明確に伝えます。『介護が必要になったとき、私は実家に戻ってこれない。でも介護保険の手続きやケアマネジャーとの打ち合わせなどはやるから。私も仕事や家族があることを理解してね』という感じです。子どもにも限界があることを認識してもらうことで、親も心の準備ができるのです。そして、介護に関する支出はあくまでも親のお金の範囲内です」
金銭トラブルとなる相続についても早いうちから考えておきたい。
「代表的なケースは特定の子に財産を多く残したいというとき。例えば、3兄弟のうち献身的に介護してくれた一人を優遇したら、他の兄弟は不満に思うでしょう。また、それが不動産だと、分けづらいため、争いのタネになりやすいのです」
対策としては、遺言書の作成がある。親の望む遺産分割について、「誰に、何を、どのくらい与えるのか」を記しておいてもらう。
「故人の遺言書が存在する場合は、その内容に従うのが原則。遺産分割協議や法定相続分よりも優先されます」
一方、事前に確認しておきたいことがある。これまでに借金はないか、連帯保証人になっていないか、そして自宅などの不動産関連書類の保管場所だ。
「親の借金については相続放棄を選択すれば回避できます。手続きには期日があるので注意してください」

















