また、血糖値スパイクが慢性的に続くと、身体にも大きな負担がかかることになる。

ポイントは食後15分以内に15分だけ身体を動かすこと

膵臓が大量のインスリンを分泌することを繰り返すと、細胞がインスリンに慣れて、その利きが悪くなってしまいます。これを『インスリン抵抗性』といいます。インスリン抵抗性が進むと血糖値が慢性的に高めになります。その結果、糖尿病のリスクが高まります

 血糖値が高い状態が続くと、血管に影響が及ぶ。

「血管は全身に張り巡らされている血液の通り道です。高血糖が続くと血管に負担がかかり、血管が傷つきやすくなります。その結果、高血圧や動脈硬化、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こしやすくなるのです」

 血糖値スパイクを防ぎ、肥満や病気を予防するためには、どのようなことに気をつければいいのだろうか。

2つのポイントがあります。1つ目は『プチ糖質制限』です。普段、私たちが食べている食事は炭水化物(糖質)中心になりがちです。糖質は身体に必要な栄養素ですが、とりすぎると血糖値が急上昇してしまうんです

 例えば、ご飯茶わん1杯に糖質は約55g含まれている。

「糖質はイモ類や根菜類にも多く含まれており、料理の味つけなどに使われる砂糖も糖質が多い食品です。餃子や春巻き、ポテトサラダといったおかずにも糖質が含まれています。糖質をとりすぎないよう、ご飯の量は茶わんの半分、できれば3分の1程度にまで減らしたいものです」

スパイクとは「とげ」の意味。食事の前後で血糖値が急上昇と急下降を繰り返す現象。脳がエネルギー不足になって、倦怠感や眠気を引き起こす。繰り返していると、肥満や糖尿病をはじめとする生活習慣病を誘引する イラスト/西田ヒロコ
スパイクとは「とげ」の意味。食事の前後で血糖値が急上昇と急下降を繰り返す現象。脳がエネルギー不足になって、倦怠感や眠気を引き起こす。繰り返していると、肥満や糖尿病をはじめとする生活習慣病を誘引する イラスト/西田ヒロコ
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 では、2つ目のポイントとは?

炭水化物を食事の最後に食べる『カーボラスト』です。食事の最初に糖質をとると、血糖値スパイクを引き起こしやすくなります。でも、同じ量の糖質を食事の最後にとった場合、血糖値の上昇はゆるやかになるんです

 もう1つ、血糖値を急上昇させないために矢野先生がおすすめしたい方法があるという。

食後15分以内に15分だけ身体を動かすことです。血糖値が上がる前に軽度な運動をすると食事でとったエネルギーが消費され、食後の血糖値の急上昇を抑えることができるんです。毎食後が難しい場合は、夕食後だけでもかまいません。ウォーキングや踏み台昇降など、無理なくできる運動を取り入れてみてください」

 矢野先生いわく、血糖値コントロールに必要なのは1%の努力だそう。

「24時間の1%は約15分。糖質の量や食べる順番に気をつけて食後15分の簡単な運動を習慣にするだけで、血糖値は整いやすくなります。肥満のリスクや日頃の不調を軽減するためにも、ぜひ“1%の努力”を続けてほしいと思います」