「最近、体調を崩されたと聞いてから、何度もお見舞いに行こうと思っていたのですが、忙しさに紛れて行けずじまいでした。それが非常に心残りです。美輪さんが生涯を通じて語り続けた“すべては愛”という考えは、私の心の中に今も息づいています」
波乱の人生で培われた哲学と人間愛は、美輪さんの綴る文章にも発揮されていた。
「美輪さんの言葉には、独特の人生観と品、毒やユーモアが備わって何よりも説得力がありました。今年3月にも著書を刊行するなど、最期まで連載や書籍の仕事を抱えていたそうです。亡くなる直前も原稿チェックは欠かさず、自ら赤字を入れて直していたと聞いています」(出版業界関係者)
人生相談の悩みに「寝言を言うな」
週刊女性も過去に美輪さんによる人生相談を連載。そこにはさまざまな悩みが寄せられていた。
例えば、大病を患い人生の意味を見失いかけた若者に対しては、不幸にも意味があると語り、苦しみを単なる不幸ではなく、魂を磨く経験だと励ました。
地味で堅実な夫との生活に疲れ、独身時代の華やかな生活が忘れられないという悩みには、寝言を言うなと一喝し、
《シンデレラだって、幸せになる前に散々、苦労しているのを忘れたの?》
と、ばっさり切り捨ててみせた。
「達観した人生観で多くの人を導いてきた美輪さんは、自らの老いも静かに受け入れていました。2021年に『婦人公論』で、加齢によって体調の浮き沈みが激しくなったと明かし、老いとは人生の総決算の時期であり、自分を大事にしてくれた人たちに感謝する時間でもあると語っていました」(前出・出版業界関係者)
あらゆる経験を愛の言葉に変えてきた美輪さん。そのメッセージは、多くの人の心の中で生き続ける。


















