目次
Page 1
ー つらくて死にたい……切羽詰まった母親たち
Page 2
ー 3人に1人は心の病に ー 子どもと距離を置いて、心の余裕を持つこと

──中学2年生の息子は、1年生の時の担任と折り合いが悪く、不登校が始まりました。1日中、部屋にとじこもって、動画を見ているかゲームをしているかで、会うのは食事の時くらいです。

 主人に相談しても“おまえがなんとかしろ”と責められるだけ。毎朝、一縷の望みを込めて、“学校はどうする?”と聞くも“うるせえ、ババア!”と怒鳴り声で返される日々……。

 最近は、学校への出欠の連絡のためにスマホを持つと手が震えてきます。私が悪いのでしょうか。はっきり言って疲れました(43歳・女性)

──もう子どもと離れて過ごしたいです。中学生の娘は、2年近く学校を休んでいます。はっきりした理由はわかりません。毎日深夜まで起きていて、昼過ぎに起床。

 これではよくないと思い、不登校が半年を過ぎたころ、思い切って離職し娘をサポートする生活に変えました。娘の好きな料理を作ったり、買い物に連れ出したり。

 でも、一向に学校に行く気配が見えません。私は仕事を辞め、毎日献身的に支えてきたのに。もうどうでもよくなってきました。娘のためにご飯を作る気力も起きません(47歳・女性)

つらくて死にたい……切羽詰まった母親たち

「“しんどくて死にたい”“子どもに愛情が持てない”。そんなひと言から始まる相談を年に何度ももらいます」

 そう話すのは、不登校の子どもたちとその保護者をサポートしているNPO法人キーデザインの代表、土橋優平さん。保護者とのやりとりで“子どもを殺したいと思う時がある”といった切羽詰まった言葉を受け止めることもある。

『不登校児童生徒数の推移グラフ』(文部科学省「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より)
『不登校児童生徒数の推移グラフ』(文部科学省「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より)