頼りにすべきは地域包括支援センター

 本格的な介護は、介護保険制度の介護サービスを受けることで始まると考えていい。

 受けられる介護サービスはさまざまあり、一定額の負担で利用できるが、この介護サービスを利用するには、まず要介護度を認定してもらう申請を役所にしなければならない。

 なかにはこの介護認定の申請を拒否し続ける親もいて苦労するケースもあるが、いったん申請まで持ち込んでしまえば、よい方向に転ぶこともある。

 客観的に支援や介護が必要と判断されることでようやく自分でも状況を受け入れ、その後の介護がスムーズに進む場合もあるのだ。

 この段階から書類上の手続きが必要になるが、この申請はどうしたらいいのだろう。

「まずは、親が住んでいる地域の地域包括支援センターに連絡し、要介護認定を受けたいことを申し出てください。詳しい申請方法はすべて教えてくれますし、遠方で難しい場合は代行もしてくれます」

 実際に書類を提出するのは役所だが、そこまでの段取りはすべてこの地域包括支援センターがアドバイスしてくれる。

 この機関は地域の高齢者の介護・医療・保健・福祉をさまざまな機関と連携してサポートするのが役目。介護が続く限り、綿密に連携をとり、お世話になるものと考えていい。

「介護が始まる前の段階でも、疑問や不安があれば気軽に相談するといいですよ。介護予防の支援も受けられたりします」というから、ぜひフル活用したい。

 申請書を提出したら、あとは案内に沿って粛々と対応していけばOK。離れて暮らしている状況をしっかり伝えて、密に連絡をもらう手はずを整えたい。