美肌みそ汁習慣で栄養もチャージ!
肌老化のカギを握る問題がわかったところで、次はそれらを解消する食事について教えてもらった。
「酸化反応をやわらげるには、抗酸化作用の強い食品がおすすめ。特に強力なのはポリフェノールで、ブルーベリーや緑茶など多様な食品に含まれます。色の鮮やかな緑黄色野菜や、ビタミンEが豊富なナッツ類、鮭に含まれるアスタキサンチンなどにも強い抗酸化作用があります」
ポリフェノールは体内にためておけないので、こまめにとるのが鉄則。
次に糖化の予防には、さまざまな方法がある。
「まず、糖質や炭水化物をとりすぎないこと。そして、糖化が起こりやすいのは食後1時間といわれるので、そば、玄米、全粒粉のパンやパスタ、葉物野菜、りんごなど、食後血糖値が上がりにくい『低GI値』の食品を選ぶことも有効。
さらに、ブロッコリースプラウトとレモンは糖化度を下げる食品なので、みそ汁はもちろん、サラダのトッピングに使うなど、上手に取り入れるといいですよ」
また、調理法にも老けの原因が潜んでいるそう。
「揚げる、焼くといった高温での調理はAGEsが発生しやすくなります。なので、生で食べたり、蒸す、ゆでるといったAGEsが発生しにくい調理を意識してみるのもいいですね」
とはいえ、完璧な食生活を送るのはハードルが高い。
「中高年の患者さんを診ていると、食事を簡単にすませてしまい、栄養が不足している方が多い印象です。酸化や糖化を防ぐための食材はもちろん、そもそも胃腸を元気に保つための基本的な栄養さえ足りていない。その結果、見た目年齢にも大きな差が出てしまうんです」
そんな中、先生自身が実践しているみそ汁習慣なら、手間をかけずに栄養を補えるうえ、ムリなく続けられそう。
「みそは腸内細菌を元気にする優秀な腸活食材ですが、原料に含まれる米麹には、セラミドを増やして水分量をアップする美肌効果もあります。
みそ汁にすれば、どんな具材とも合わせやすく、肉や魚のタンパク質もとれて野菜不足も解消でき、肌のターンオーバーに必要なビタミンやミネラルも補いやすいのです。水に溶けやすい水溶性の栄養素も汁ごと飲めるので、栄養をムダなくとれます」
ポイントは、毎日継続すること。
「私は毎日1~2回は飲んでいます。腸内環境は非常に繊細なため、腸活をやめるとすぐ元に戻ってしまうといわれているのでコツコツ続けることが大切です」
肌の不調は身体の状態を知る重要なサイン。肌悩み別のおすすめ具材は、上記を参考にしてほしい。
「肌を玄関口にして身体の中から元気になると、見た目年齢にも良い影響が出てきます。毎日の習慣に、ぜひみそ汁を取り入れてくださいね」