事前に情報収集を

 いざダブルケアとなったときに慌てないためには、とにかく事前に備えておくことが大事。

「私の著書『しなくていい介護「引き算」と「手抜き」で乗り切る』にも書きましたが、介護は突然始まり、否応なく家族全員を巻き込んでいきます。

 だから親がまだ元気なうちに、浅くてもいいので、介護の知識を身につけておくだけでも随分違います。予め選択肢が見えているのと見えていないのとでは、実際に対峙したときの精神状態が大きく違うと思います」

 ダブルケアの情報は、自治体や役所、地域包括支援センターだけでなく、NPO団体などからも得ることができる。

「例えば、岐阜県ではダブルケアのハンドブックを作成し、相談窓口や支援制度、体験談などを紹介しています。また神戸市では、相談窓口から関係機関につなげる取り組みを行っています。

 さらに一般社団法人ダブルケアサポートでは、ダブルケアに関する情報の普及や調査・研究、ダブルケアラーの支援や『ダブルケアカフェ』を全国に広める活動などを行っています」

 子どもがいない人であっても、親は必ずいるはずだ。子どもがいてもいなくても、介護に備えておくことは、自分の人生や自分を守る上で必ず有益となる。備えあれば憂いなしだ。

旦木瑞穂さん ノンフィクションライター・グラフィックデザイナー。愛知県出身。企業でグラフィックデザイナーなどを務め、2015年に独立。オンラインニュースサイトや雑誌に、葬儀・お墓・介護などの終活や、家庭・女性に関する連載を多数持ち、精力的に執筆を行う。『しなくていい介護 「引き算」と「手抜き」で乗り切る』(朝日新書)が好評発売中。
旦木瑞穂さん ノンフィクションライター・グラフィックデザイナー。愛知県出身。企業でグラフィックデザイナーなどを務め、2015年に独立。オンラインニュースサイトや雑誌に、葬儀・お墓・介護などの終活や、家庭・女性に関する連載を多数持ち、精力的に執筆を行う。『しなくていい介護 「引き算」と「手抜き」で乗り切る』(朝日新書)が好評発売中。
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教えてくれたのは…旦木瑞穂さん ノンフィクションライター・グラフィックデザイナー。愛知県出身。企業でグラフィックデザイナーなどを務め、2015年に独立。オンラインニュースサイトや雑誌に、葬儀・お墓・介護などの終活や、家庭・女性に関する連載を多数持ち、精力的に執筆を行う。『しなくていい介護 「引き算」と「手抜き」で乗り切る』(朝日新書)が好評発売中。