乳腺で広がったがんが、腋窩リンパ節に入る手前まで浸潤していた。右胸の部分切除か、全摘かの選択を迫られる。

人生って有限だということに改めて気づいた

悩みました。部分切除だと胸の形が崩れて、放射線治療に一定期間、毎日通わなきゃいけない。それを考えたら、全摘して再建したほうが楽かなと思って。それで、好きな形にしちゃおうと(笑)

乳がんから退院後2週間。お誕生日に熱海に!新幹線の中で軽くお祝い 写真提供/板橋理恵さん
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 右胸の全摘に臨み、手術は無事成功。翌日からリハビリに取り組んでいる。

でもちょっとやりすぎたみたい。病院内を1万歩歩いて、看護師さんに、汗かいてますよって言われちゃいました(笑)

 1週間の入院と、1か月の休養を経て、仕事に復帰。闘病は人生を見直すいい機会になった、と話す。

人生って有限だということに改めて気づきました。限られた人生を私はどう送りたいのか、自分に問いかけてみたんです。そこで、満足できる人生を送りたいと考えて

 50歳過ぎまでシングルを貫いてきたが、初めて結婚を真剣に考えた。まずお相手の条件をリストに書き出している。

若いころは純粋に好きだからで結婚すればよくても、年齢を重ねるとそうもいかなくなる。失敗したケースを見ていると、やっぱりもともとの原因があるんですよね。じゃあ私にとってこれは譲れないということは何だろうと─

 リストアップした数、計10項目。なかでも一番の条件は、「料理ができること。私だって仕事で忙しいのに、家で待っていられて、『ごはん作って』なんて言われたらすごくイヤじゃないですか(笑)」

 そんななか、友人たちと海へ行き、1人の男性と出会う。男性は免疫学の研究者で、板橋さんの4歳上。前妻を病気で早くに亡くし、2人の娘を男手ひとつで育てていた。彼女にとって、理想の男性だったよう。

彼はリストをほぼクリアしていましたね。△の項目はいくつかあったけど(笑)

 交際がスタートし、右胸の全摘を告白している。がんと聞き、彼がどう受け止めるか、躊躇もあったというが。

いざ伝えたら、『そうなんだ。乳がん、最近多いよね』であっさり終わりました(笑)